胃食道逆流症で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
胃食道逆流症の主要な病態生理は、下部食道括約筋の機能不全による胃内容物の逆流です。この逆流によって生じる症状(胸焼けなど)は、胃酸による食道粘膜への刺激が原因となるため、H2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬(PPI)による胃酸分泌抑制が治療の基本となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃食道逆流症は、高齢者や肥満者、妊婦などに多く見られる傾向があります。若年層に多いという記述は誤りです。正しくは:高齢者に多く見られます。選びやすい理由:特定の年齢層だけでなく、生活習慣や基礎疾患に起因することもあるため、年齢層を限定する記述に戸惑うかもしれない。混同注意:胃食道逆流症の発生頻度がどの年齢層に高いかに関する誤解。
- 2. 高脂肪食は胃の内容物排出を遅らせ、下部食道括約筋を弛緩させる作用があるため、胃食道逆流症の症状を悪化させる可能性があります。したがって、摂取は勧められません。正しくは:高脂肪食の摂取は控えるよう指導します。選びやすい理由:食生活の改善が重要である点は理解しているものの、具体的な食品選択に関する知識が不足している場合。混同注意:胃食道逆流症における食事療法の原則に関する誤解。
- 3. 食後に横になる場合は、胃内容物が食道へ逆流しやすくなるため、右側臥位ではなく、左側臥位で休息することで胃の形状により逆流が抑制されるとされています。ただし、一般的には食後すぐに横になることは推奨されず、上体を起こしておくことが望ましいです。特に右側臥位は胃の入り口が下になり逆流を促すため適切ではありません。この選択肢は左側臥位という点で一部正しい情報を含みますが、全体として食後すぐに横になることを推奨する形になっている点で誤解を招きます。また、右側臥位ではなく左側臥位である点は正しいですが、食後すぐに横になること自体が症状を悪化させる可能性があります。正しくは:食後は数時間、上体を起こして過ごします。選びやすい理由:左側臥位が逆流を抑制するという知識がある場合、この選択肢が正しいように見えてしまう可能性がある。混同注意:食後の体位に関する正しい知識と、具体的な臥位の効果に関する理解の混同。
- 4. 正解。胃食道逆流症は、下部食道括約筋の一時的または持続的な弛緩によって胃内容物が食道へ逆流することで発症します。
- 5. 正解。H2受容体拮抗薬は胃酸分泌を抑制するため、胃食道逆流症による胸焼けや胃痛などの自覚症状の緩和に有効です。プロトンポンプ阻害薬(PPI)とともに、主要な治療薬の一つです。
国試ポイント
胃食道逆流症の病態生理、および薬物療法を含む生活習慣改善の基本的な知識が問われています。特に、下部食道括約筋の機能と胃酸分泌抑制薬の作用機序は重要です。
混同注意
食後の体位指導では、左側臥位が右側臥位より推奨される場合がありますが、食後すぐに横になること自体が症状悪化のリスクとなりうる点に注意が必要です。また、H2受容体拮抗薬とプロトンポンプ阻害薬(PPI)の違いも理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
胃食道逆流症の患者に対する看護計画を立案する際、具体的な食事指導や生活指導の内容について判断できるか。
関連知識
プロトンポンプ阻害薬(PPI)の作用機序と、生活習慣の改善(食事内容、食後の体位、禁煙、減量など)。