血液中の濃度の変化が膠質浸透圧に影響を与えるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
血液中の膠質浸透圧は、主に血漿中のタンパク質、特にアルブミンによって維持されます。アルブミンは血漿タンパク質の約60%を占め、その大きな分子量と多数の陰性電荷により、血管内から組織間液への水分の移動を防ぐ重要な役割を果たしています。
選択肢ごとの解説
- 1. 血小板は血液凝固に関わる細胞成分であり、その濃度が膠質浸透圧に直接的な影響を与えることはありません。正しくは:血小板は血液凝固や止血に関与する細胞成分であり、浸透圧の調整には直接関与しません。選びやすい理由:血液の重要な構成要素であるため、何らかの生理機能に関与すると誤解される可能性があります。混同注意:血小板は細胞成分であり、分子として浸透圧に寄与するアルブミンとは異なります。
- 2. 赤血球は酸素運搬を担う細胞成分であり、その濃度自体が膠質浸透圧に直接影響を与えるわけではありません。赤血球の数が増加すれば血液の粘度が上昇しますが、浸透圧への影響は限定的です。正しくは:赤血球は酸素運搬を主とする細胞成分であり、浸透圧の調整には直接関与しません。選びやすい理由:血液の主要な細胞成分であり、血液の粘度などに影響を与えるため、浸透圧にも関与すると考えがちです。混同注意:赤血球は細胞であり、分子量が大きいですが、膠質浸透圧に影響を与えるのは主にタンパク質などのコロイドです。
- 3. 正解。アルブミンは血漿中に最も多く存在するタンパク質であり、その大きな分子量と親水性により、血管内の膠質浸透圧の維持に最も重要な役割を果たしています。アルブミン濃度が低下すると、膠質浸透圧が低下し、浮腫が生じやすくなります。正しくは:アルブミンは血漿中で最も豊富なタンパク質であり、その大きな分子量によって血管内の膠質浸透圧を維持する主要な因子です。選びやすい理由:他の選択肢も血液中の成分ですが、膠質浸透圧への寄与度を理解しているかが問われます。混同注意:アルブミンが膠質浸透圧の主たる担い手であることを知らないと、他の選択肢を選んでしまう可能性があります。
- 4. グルコース(ブドウ糖)は、血液中の浸透圧に影響を与えますが、これは主に『晶質浸透圧』への影響です。膠質浸透圧は主にタンパク質によって維持されます。正しくは:グルコースは血液の『晶質浸透圧』に影響を与えますが、膠質浸透圧にはほとんど影響しません。選びやすい理由:糖尿病などで高血糖状態になると浸透圧利尿が起こるなど、浸透圧との関連性が強いため、混同しやすいです。混同注意:晶質浸透圧と膠質浸透圧の違いを理解していないと誤解しやすいです。
- 5. ナトリウムイオンは、細胞外液の主要な陽イオンであり、血液中の『晶質浸透圧』の決定に最も重要な役割を果たします。膠質浸透圧への直接的な影響は小さいです。正しくは:ナトリウムイオンは血液の『晶質浸透圧』に最も大きく影響しますが、膠質浸透圧にはほとんど影響しません。選びやすい理由:体液の浸透圧調節に極めて重要な役割を担うため、膠質浸透圧にも関係すると誤解しやすいです。混同注意:晶質浸透圧と膠質浸透圧の違い、およびそれぞれの主要な担い手を理解しているかがポイントです。
国試ポイント
膠質浸透圧と晶質浸透圧の違い、およびそれぞれの浸透圧を主に決定する物質を正確に理解しているかが問われます。特に、アルブミンが膠質浸透圧の主要な決定因子であることは基礎医学の重要事項です。
混同注意
グルコースやナトリウムイオンは体液の浸透圧(晶質浸透圧)に大きく影響するため、これらとアルブミンによる膠質浸透圧を混同しやすいです。それぞれの浸透圧がどのような物質によって主に維持されているかを区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
患者の浮腫の原因をアセスメントする際、血清アルブミン値を確認することの重要性や、輸液療法における膠質液と晶質液の選択根拠を判断できるようになる。
関連知識
低アルブミン血症では、血管内の膠質浸透圧が低下し、水分が血管外へ漏出しやすくなるため、浮腫(特に下肢浮腫や腹水)が生じやすくなります。また、ショック時の輸液選択において、膠質液と晶質液の使い分けの根拠となります。