創傷の治癒過程で炎症期に起こる現象はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
創傷の炎症期は、異物や細菌の排除、損傷組織の除去を目的とした初期反応です。この時期には血管透過性が亢進し、血漿成分、白血球、炎症性サイトカインなどが創部へ集積し、滲出液として現れます。
選択肢ごとの解説
- 1. 線維芽細胞の活性化は増殖期(肉芽形成期)に起こる現象で、コラーゲン産生などにより組織の再構築を促します。正しくは:これは増殖期に起こる現象です。選びやすい理由:細胞活動が活発になるという点で、炎症と関連があるように感じるかもしれませんが、時期が異なります。混同注意:炎症期と増殖期の細胞活動
- 2. 肉芽組織の形成は、炎症期に続く増殖期(肉芽形成期)の主要なプロセスです。血管新生や線維芽細胞の増殖が特徴です。正しくは:これは増殖期に起こる現象です。選びやすい理由:治癒の初期段階であるため、肉芽形成が早い時期に起こると誤解しがちです。混同注意:炎症期と増殖期の段階
- 3. 正解。炎症期には、血管透過性の亢進により血漿成分や炎症性細胞が組織間へ漏出し、滲出液として創部に集まります。これは炎症反応の典型的な徴候です。
- 4. 創部の収縮は、主に増殖期から成熟期にかけて、筋線維芽細胞の働きによって起こる現象です。創の大きさを物理的に縮小させます。正しくは:これは増殖期から成熟期にかけて起こる現象です。選びやすい理由:治癒の過程で起こる現象であるため、早期に起こると錯覚することがあります。混同注意:炎症期と成熟期のプロセス
- 5. 上皮化は、増殖期の後期から成熟期にかけて、創縁から上皮細胞が遊走・増殖して創面を覆うプロセスです。正しくは:これは増殖期の後期から成熟期にかけて起こる現象です。選びやすい理由:創傷治癒の最終的な目標の一つであり、早期に起こると誤解しやすいです。混同注意:炎症期と上皮化の時期
国試ポイント
創傷治癒の各段階(炎症期、増殖期、成熟期)で起こる特徴的な生理的現象を理解しているかが問われています。特に、各期に優位な細胞活動や組織変化を正確に把握することが重要です。
混同注意
炎症期、増殖期(肉芽形成期)、成熟期(リモデリング期)の各段階の区別とその特徴的なイベント。特に、炎症反応が先行し、その後に組織修復(肉芽形成、上皮化、収縮)が続く流れを明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、創傷治癒の各期で『主要な役割を果たす細胞』や『特徴的な組織の変化』について問われる可能性が高いと予測されます。また、慢性創傷における治癒過程の阻害要因についても注意が必要です。
関連知識
炎症の五徴候(発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害)、細胞性免疫と液性免疫、サイトカインの役割、血管透過性亢進のメカニズム、線維芽細胞、マクロファージ、好中球の働き、肉芽組織の構成、創傷収縮における筋線維芽細胞の役割。