Aさん(65歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。友人の死去後、食事量が減り、1か月前から気分の落ち込みが強くなった。夫が積極的に散歩に誘っても、Aさんは「体がだるい」「何をしても意味がない」と話し、寝つきも悪くなり、日中ほとんどの時間を臥床して過ごすようになった。心配した夫に連れられて精神科外来を受診したところ、うつ病と診断され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉と不眠時の睡眠薬が処方された。夫から精神科外来の看護師に「日常生活で気を付けることはありますか」と質問があった。 Aさんと夫に看護師が説明する内容で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
薬剤の服用を開始する際には、起こりうる副作用について事前に説明し、患者がそれらに適切に対処できるよう情報提供することが看護師の重要な役割です。特に吐き気や下痢は多くの薬剤で起こりうる一般的な副作用であり、注意喚起は適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 「毎朝運動をする習慣を作りましょう」は、一般的な健康増進には有効ですが、特定の病態や服薬状況によっては不適切なアドバイスになる可能性があります。Aさんの状況が不明なため、一概に推奨できません。正しくは:患者の病態や体力レベルに合わせて運動指導を行う必要があります。例えば、「体調の良い時に無理のない範囲で体を動かしましょう」といった表現が良いでしょう。選びやすい理由:健康に良い活動なので、つい選んでしまいがちです。混同注意:健康指導として一般的な内容ですが、個別性への配慮が欠けています。
- 2. 「食欲がないときは食事の回数を減らしましょう」は誤ったアドバイスです。食欲不振時でも、少量で栄養価の高い食事を頻回に摂るなど、工夫して栄養を確保することが重要です。回数を減らすと、さらに栄養不足に陥る可能性があります。正しくは:食欲がない場合でも、少量頻回にしたり、消化しやすい食品を選んだり、栄養補助食品を活用したりするなど、工夫して栄養摂取を促す指導が適切です。選びやすい理由:無理に食べさせるのは良くないという考えから、回数を減らすことを提案したくなるかもしれません。混同注意:食欲がない時の食事は、量や質、回数に工夫が必要であり、安易に回数を減らすのは避けるべきです。
- 3. 正解。多くの薬剤、特に新規導入薬や化学療法薬などでは、服用開始初期に吐き気や下痢などの消化器症状が出現することがあります。これらの副作用について事前に説明し、患者が異常に気づき、適切に対処できるよう促すことは、看護師として適切な情報提供です。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:他の選択肢が明らかに不適切なため、消去法で選びやすいです。混同注意:副作用の一般的な説明であり、具体性が少し不足していると感じるかもしれませんが、適切な情報提供です。
- 4. 「眠れないときは睡眠薬を早朝に飲んで構いません」は非常に危険なアドバイスです。睡眠薬を早朝に服用すると、日中の眠気やふらつき、転倒のリスクが増大し、日常生活に支障をきたす可能性があります。睡眠薬は指示された用法・用量を守り、就寝前に服用するのが原則です。正しくは:睡眠薬は医師の指示通りの時間に、決められた量を服用することが必須です。もし眠れない場合は、まずは医師や薬剤師に相談するよう指導すべきです。選びやすい理由:眠れない苦痛を和らげたいという気持ちから、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:睡眠薬の服用時間は厳守すべきであり、安易な自己判断での変更は危険です。
国試ポイント
薬剤に関する適切な情報提供、特に副作用説明の重要性。また、健康指導の個別性、食事指導、睡眠薬の正しい使用法に関する知識が問われています。
混同注意
各選択肢が健康に関する一般的なアドバイスのように見えますが、患者の安全と適切な治療管理の観点から、それぞれの内容の妥当性を厳密に評価する必要があります。
次に同じ論点が出たら
薬剤指導を行う際、患者の個別性に配慮し、何を優先して伝えるべきか、具体的にどのような言葉で伝えるべきか。
関連知識
薬剤の副作用、患者指導の原則、栄養管理、睡眠薬の薬理作用と注意点。