血液透析について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
血液透析導入の初期に、血液中の尿毒素が急速に除去される一方で、脳脊髄液中の尿毒素濃度が緩やかにしか下がらないため、両者の浸透圧差により脳浮腫が生じることがあり、これを不均衡症候群と呼びます。頭痛、悪心、嘔吐、痙攣などの症状を呈することがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 腹膜炎は腹膜透析の主要な合併症であり、血液透析では通常発生しません。正しくは:腹膜炎は腹膜透析の合併症である。選びやすい理由:透析全般の合併症として「炎症」を連想しやすいが、部位が異なる。混同注意:腹膜透析と血液透析の合併症が混同されている。
- 2. 血液透析患者では、リンの排泄が困難になるため、リン摂取を制限することが一般的です。カルシウムは、低カルシウム血症の予防や骨代謝異常の管理のために、むしろ補充を検討することがあります(ただし、リンとのバランスが重要)。正しくは:食事はリンを制限する。選びやすい理由:腎不全では様々な電解質の管理が必要であるため、どれか制限するというイメージから選んでしまうかもしれない。混同注意:リンとカルシウムの摂取制限に関する知識が混同されている。
- 3. 正解。不均衡症候群は、血液透析開始初期に血液中の老廃物濃度が急激に低下する一方で、脳内の老廃物濃度は相対的に高濃度に保たれるために生じる脳浮腫であり、頭痛、吐き気、意識障害などの症状が現れます。導入初期に起こりやすい合併症です。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:初期合併症という点で、他の初期に起こりうる症状(シャントトラブルなど)と迷うかもしれないが、不均衡症候群は特に血液透析導入期の特徴的な病態である。混同注意:不均衡症候群がどのような状態か、またどの時期に起こりやすいかについて誤解している場合。
- 4. 透析導入の原因疾患として最も多いのは糖尿病性腎症であり、IgA腎症ではありません。正しくは:導入の原因疾患で最も多いのは糖尿病性腎症である。選びやすい理由:IgA腎症は慢性腎臓病の主要な原因の一つであり、腎臓病のイメージから選択してしまうかもしれない。混同注意:慢性腎臓病の原因疾患と透析導入の主要原因疾患が混同されている。
- 5. 透析膜は、血液中の老廃物や過剰な水分を排泄しますが、アルブミンなどのタンパク質は分子量が大きいため、通常は透過させません。もしタンパク質が透過してしまうと、栄養状態の悪化を招きます。正しくは:透析に用いる半透膜はタンパク質を通過させない。選びやすい理由:小さな分子は通過する、というイメージから、どの程度の大きさまで通過するのかについて曖昧だと誤解を招く。混同注意:半透膜の孔径と通過する物質の分子量の関係について誤解している。
国試ポイント
血液透析の基本的な知識、特に導入初期の合併症、食事療法、主要な原因疾患、透析膜の機能について問われています。各選択肢の知識を正確に理解しておくことが重要です。
混同注意
腹膜透析と血液透析の合併症、リンとカルシウムの食事制限、慢性腎臓病の主な原因と透析導入の主な原因はそれぞれ混同しやすいポイントです。それぞれの透析方法や病態の特性を理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
不均衡症候群の具体的な症状や看護上の注意点について理解しているか。また、他の透析合併症(低血圧、出血、感染など)についても区別できるか。
関連知識
慢性腎臓病の病期分類、透析導入基準、シャント管理、透析患者の薬物動態、水分・電解質管理。