在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300 g、身長48.5 cm。生後1日の体重は3,200 g。バイタルサインは腋窩温37.2°C、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。 生後2日、医師の診察で問題がないことが確認され、母児同室を開始した。身体測定を行うため、児を新生児室に移送した。児は四肢を屈曲させた姿勢で、体重計に乗せたとき両手を広げ、そのまま上肢を伸ばし抱きかかえるような動きをした。腹部には境界の不明瞭な紅斑が散在し、腋窩と鼠径部にはクリーム状のものが付着していた。児の看護で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
新生児の皮膚に付着しているクリーム状のものは胎脂であり、これは皮膚の保護や保湿、感染防御の役割を果たします。無理に洗い落とす必要はなく、自然に吸収されるのを待つのが適切です。他の選択肢は、新生児の生理的特徴や正常な反応を誤って解釈しているため不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 新生児は生理的に四肢を屈曲させた姿勢が自然であり、無理に伸ばすと不快感を与えたり、身体への負担になる可能性があります。また、新生児の反射(モロー反射など)を妨げないためにも、自然な姿勢を尊重すべきです。正しくは:新生児の生理的な姿勢である四肢屈曲位を保ちます。選びやすい理由:成長を促すために良いと考えたり、観察しやすいと誤解するかもしれません。混同注意:乳児期以降の寝かせ方と混同している可能性があります。
- 2. 「体重計に乗せたとき両手を広げ、そのまま上肢を伸ばし抱きかかえるような動き」は、モロー反射(Moro reflex)の特徴的な動きであり、新生児期には正常に見られる原始反射の一つです。異常ではありません。正しくは:見られた反射が正常なモロー反射であることを認識し、特に報告の必要はありません(ただし、反射の有無や左右差、消失時期の確認は重要です)。選びやすい理由:反射が見慣れない動きであるため、異常ではないかと不安に感じるかもしれません。混同注意:正常な原始反射と異常な神経学的徴候を混同している可能性があります。
- 3. 「腹部には境界の不明瞭な紅斑が散在」は、新生児に見られる生理的な一過性の発疹である新生児中毒疹(erythema toxicum neonatorum)の可能性が高いです。これは自然に消失するため、消毒などの処置は通常不要であり、刺激を与えるとかえって悪化する可能性があります。正しくは:腹部の紅斑が生理的なものである可能性を考慮し、刺激を与えず経過を観察します。選びやすい理由:皮膚の赤みを見ると感染などを心配し、清潔に保つために消毒が必要だと考えてしまうかもしれません。混同注意:感染性の皮膚疾患やアレルギー反応と混同している可能性があります。
- 4. 正解。「腋窩と鼠径部にはクリーム状のものが付着」は、胎脂(vernix caseosa)であると考えられます。胎脂は皮膚の保護、保湿、感染防御などの役割があり、無理に洗い落とす必要はなく、自然に吸収されるのを待ちます。
国試ポイント
新生児の生理的特徴と、それに応じた適切な看護ケアについて問われています。特に、正常な原始反射(モロー反射)、生理的な皮膚所見(新生児中毒疹、胎脂)に関する知識が重要です。
混同注意
新生児の正常な生理現象(胎脂、モロー反射、新生児中毒疹)と、異常な状態を混同しないことがポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、新生児期に特有の身体所見や生理現象(例:生理的体重減少、生理的黄疸、原始反射の種類と意味)について正しく理解し、それに対する適切な看護介入を選択できるかどうかが問われるでしょう。
関連知識
新生児の原始反射の種類と消失時期、新生児の生理的黄疸、生理的体重減少、新生児の皮膚の特徴(蒙古斑、脂漏性湿疹など)についても関連知識として押さえておく必要があります。