在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300 g、身長48.5 cm。生後1日の体重は3,200 g。バイタルサインは腋窩温37.2°C、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。 生後3日、児の体重は3,000 gになった。バイタルサインに異常はみられない。手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。血清ビリルビン値18.5 mg/dL。母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
光線療法中の児は、血中のビリルビンが水溶性の異性体となり、胆汁や尿中に排泄されやすくなります。この排泄を促進するためには、十分な水分と栄養の摂取が不可欠です。直接授乳は、児に十分な水分と栄養を供給し、脱水を防ぎ、腸管運動を促進してビリルビンの排泄を助ける重要な手段であるため、中断せず継続することが適切です。また、母児同室の環境下で実施される場合、授乳は母子の愛着形成にも寄与します。
選択肢ごとの解説
- 1. 光線療法中は、治療器からの熱で体温が上昇することがあるため、低体温ではなくむしろ高体温に注意が必要です。正しくは:「体温が上昇することがあるので、こまめに確認します」選びやすい理由:光線療法で体力を消耗すると感じるかもしれませんが、直接的な体温低下作用はありません。混同注意:他の治療法や、未熟児の一般的な体温管理と混同する可能性があります。
- 2. 光線療法を受けると、ビリルビンが水溶性となり排泄が促されるため、通常、便の回数は増加します。正しくは:「便の回数が増えることがあります」選びやすい理由:治療を受けると体が弱るというイメージから、排泄機能が低下すると誤解するかもしれません。混同注意:病気による食欲不振など、他の要因による排便回数の変化と混同する可能性があります。
- 3. 光線療法では、性器を保護するためにおむつは着用したまま実施します。全身に光を当てる必要はありますが、性器はデリケートな部位であり、保護が必須です。正しくは:「デリケートな部分を保護するため、おむつは着用したまま行います」選びやすい理由:より広範囲に光を当てるべきだと考え、おむつを外す方が効果的だと誤解する可能性があります。混同注意:衣服を脱がせて行うことと、おむつを外すことを混同するかもしれません。
- 4. 正解。光線療法中の児は、ビリルビンの排泄を促すために十分な水分補給と栄養摂取が非常に重要です。直接授乳は、水分と栄養を補給するだけでなく、母子の絆を育む上でも推奨されます。一時的に中止する必要はありません。
国試ポイント
新生児の生理的黄疸と病的な黄疸の鑑別、および光線療法の基本的な看護介入と保護者への説明内容に関する知識が問われています。特に、光線療法中の児の水分・栄養管理の重要性と、合併症(高体温、皮膚障害など)への対策を理解しているかがポイントです。
混同注意
光線療法中の排泄の変化(便回数の増加)や体温変動(上昇に注意)など、児の生理的反応に関する知識が不足していると誤った選択肢を選びがちです。また、性器保護の必要性も重要なポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た場合は、光線療法の主な目的(ビリルビン排泄促進)と、それを達成するために必要な看護ケア(水分・栄養補給)を最優先で考える。また、治療に伴う合併症(高体温、脱水、皮膚の損傷)への対策も確認する。特に、保護者への説明は、根拠に基づいた適切な情報提供であるかが重要。
関連知識
光線療法のメカニズム(ビリルビンの異性化と排泄)、光線療法の副作用と看護(体温管理、眼の保護、性器の保護、皮膚の状態観察、水分補給の促進)、病的黄疸と生理的黄疸の鑑別基準(出現時期、血清ビリルビン値、直接・間接ビリルビンの割合など)、新生児の栄養と水分代謝。