Aちゃん(7歳、女児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に来院した。1か月前に扁桃炎に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎は抗菌薬を内服し軽快した。検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と診断されて入院した。入院時、Aちゃんは体温36.6°C、呼吸数20/分、心拍数84/分、血圧130/80 mmHgで、床上安静の指示が出された。 入院して1週が経過した。症状は軽快傾向にあるが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、Aちゃんはイライラしている。Aちゃんの母親は、毎日昼食後から夕食まで面会をしている。Aちゃんのストレスに対する看護師の発言で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Aちゃんは床上安静が続き、友人の退院によってイライラしています。これは環境変化への欲求や遊びへの不満が要因と考えられます。ベッドごとプレイルームへ移動することは、床上安静の指示を遵守しつつ、環境を変えることで気分転換を図り、他の子どもたちとの交流機会を提供し、遊びの欲求を部分的に満たすことが可能です。これにより、Aちゃんのストレスを緩和する効果が期待できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 「すぐに退院できる」と安易に約束することは、児の期待を裏切り、かえって不信感や失望感を招く可能性があります。具体的な退院時期が未定である場合、このような発言は適切ではありません。正しくは:「退院に向けて少しずつ体力が回復してきているね」など、現在の状況を肯定的に伝えつつ、見通しについては慎重に言葉を選ぶ。選びやすい理由:子どもを励ます意図は理解できるが、不確実な情報で期待を持たせるのは問題。混同注意:子どもの頑張りを促したい気持ちと、現実的な情報提供のバランスを誤解しやすい。
- 2. 長時間にわたるテレビや動画の視聴は、視覚刺激過多や運動不足につながり、かえって精神的な不安定さを増したり、夜間の睡眠に影響を与えたりする可能性があります。また、床上安静中であっても、適度な活動や他者との交流も重要です。正しくは:「少しの時間なら好きなテレビを見てもいいけど、絵本を読んだり、おもちゃで遊んだりもしてみようか」など、活動の選択肢を提示しつつ、時間や内容の調整を示唆する。選びやすい理由:子どもが喜ぶことを提供しようとする視点では理解できるが、健康面への配慮が不足。混同注意:安静臥床中のストレス軽減策として安易に娯楽を提供することと、その過剰な提供による弊害を混同しやすい。
- 3. 正解。Aちゃんは床上安静が続いている状況で、同室の友人が退院したことでイライラしています。これは、閉塞感や孤独感、遊びへの欲求不満が背景にあると考えられます。ベッドごとプレイルームへ移動することで、環境変化による気分転換や、他の児との交流の機会を提供でき、ストレス軽減に繋がります。床上安静の指示を遵守しつつ、児の活動制限によるストレスを緩和する適切な対応です。正しくは:選択肢のままで適切です。選びやすい理由:床上安静という制約があるため、移動させることに躊躇するかもしれないが、ベッドごと移動する方法があるため、これが最適解となる。混同注意:床上安静と活動制限を混同し、一切の移動や活動を許さないと誤解する可能性がある。
- 4. 母親が昼食後から夕食まで面会している状況で、さらに夕食後の付き添いを促すことは、母親自身の負担を増大させる可能性があります。母親の休息や生活リズムも考慮し、無理のない範囲でのサポートを検討すべきです。また、夜間は児の睡眠を優先することも重要です。正しくは:「お母さんと離れるのは寂しいね。夕食までは一緒にいられるから、その間たくさん遊んだりお話したりしようね」など、現行の面会時間を有効活用する方法を提案しつつ、母親の負担も考慮に入れる。選びやすい理由:親の付き添いは子どもの安心に繋がるという点で一見良さそうに見えるが、親の負担を考慮していない。混同注意:子どもの安心と親の負担軽減のバランスを考える必要がある。親に寄り添うことと、親の負担を軽減することの区別が曖昧になりやすい。
国試ポイント
小児看護における入院児のストレス要因への理解と、制限がある中で児の成長発達段階に応じたストレス緩和策の立案能力が問われています。特に、床上安静中でも可能な環境調整や遊びの提供が重要です。
混同注意
子どもの励まし方や娯楽の提供、親の関与は一見適切に見えるものもありますが、それぞれの選択肢が持つ潜在的な問題点(不確実な期待、過剰な刺激、親の負担増)を理解しているかがポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後もAちゃんの様子を継続的に観察し、プレイルームでの活動内容や他の児との関わり方をアセスメントする。もしストレスが続くようであれば、個別の遊びの提供や心理的サポートを検討する。
関連知識
入院中の子どもの発達段階に応じた遊びの提供、環境調整、家族支援の重要性。患児のストレス症状(イライラ、不機嫌)へのアセスメントと、それに対する具体的な介入方法。