在胎39週4日で、正常分娩で出生した児。出生体重3,000 g、身長48.0 cm。出生直後、児に付着していた羊水をふき取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。体温37.5°C、呼吸数56/分、心拍数150/分、呼吸音は異常なし。看護師は観察を終え、温めておいたベビー服を着衣させ、同様に温めておいた寝具を用いて準備をしたコットに児を寝かせた。コットは壁際や窓辺を避け、空調の排気口からの風が当たらない場所に配置した。 生後3日。看護師が朝の観察を行った時の児の状態は、体温37.0°C、呼吸数40/分、心拍数130/分。体重2,680 g。顔面と胸部の皮膚に黄染が認められる。その他の部位は淡紅色である。手関節と足関節の皮膚に落屑がある。尿は6回/日、便は2回/日で移行便である。児の状態で生理的特徴から逸脱しているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
児の出生体重は3,000 gで、生後3日の体重は2,680 gです。体重減少率は(3,000-2,680)÷3,000×100≒10.7%となります。生理的体重減少は出生体重の5〜10%程度で、生後3〜5日ころに最大となるため、10%を超える減少は生理的範囲から逸脱しています(公式正答4)。哺乳量不足や脱水がないかを確認する必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 新生児の体温は通常36.5〜37.5℃であり、37.0℃は生理的な範囲内です。選びやすい理由:新生児は体温調節機能が未熟であるため、高すぎず低すぎない適正な体温であるにも関わらず、体温に異常があると考えてしまう可能性があるため。混同注意:新生児の低体温や高体温の判断基準。
- 2. 新生児の呼吸数は通常30〜60回/分であり、40回/分は生理的な範囲内です。選びやすい理由:成人の呼吸数と比べると多いため、異常と判断してしまう可能性があるため。混同注意:多呼吸(60回/分以上)や徐呼吸の判断基準。
- 3. 生後3日の顔面と胸部の黄染は、生理的黄疸の可能性が高く、特に治療を要さないことが多いです。その他の部位が淡紅色であることから、病的黄疸の可能性は低いと考えられます。選びやすい理由:黄染があると病的なイメージを持つため、生理的な範囲内の黄疸であっても異常と判断してしまう可能性があるため。混同注意:生理的黄疸と病的黄疸(出現時期、範囲、ビリルビン値など)。
- 4. 正解。出生体重3,000 gから生後3日で2,680 gとなり、体重減少率は(3,000-2,680)÷3,000×100≒10.7%です。生理的体重減少(5〜10%)の範囲を超えており、生理的特徴から逸脱しています。混同注意:生理的体重減少の範囲(出生体重の5〜10%以内)と、回復までの期間。
- 5. 新生児の皮膚の落屑は、胎内環境から乾燥した外界への適応過程でよく見られる生理的な現象です。特に手関節や足関節に見られるのは一般的です。選びやすい理由:皮膚の異常として捉え、異常と判断してしまう可能性があるため。混同注意:先天性魚鱗癬などの病的皮膚疾患。
国試ポイント
出生体重と生後3日の体重から体重減少率を計算し、生理的体重減少の範囲(5〜10%)から逸脱しているかを判断できるかが問われています。
混同注意
顔面と胸部の黄染は生理的黄疸、手関節・足関節の落屑は正期産児にみられる生理的な所見です。体温37.0℃、呼吸数40/分も正常範囲です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、出生体重が提示されていれば体重減少率を計算し、10%以内かを確認する。出生体重が提示されていなければ、体重減少率が生理的範囲を逸脱している可能性のある選択肢に着目し、他の生理的逸脱がないかを確認する。
関連知識
生理的体重減少は、胎便の排泄、細胞外液の減少、哺乳量不足などが原因で生じます。通常は生後3〜5日で最大となり、その後は増加に転じ、生後10〜14日で出生体重に戻ります。10%を超える減少や、回復の遅延は病的と判断されます。