成人の食道の構造で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
食道には、解剖学的に見て3つの生理的狭窄部があります。これらは、食道が隣接する臓器や構造によって自然に圧迫される箇所であり、具体的には、食道の始まりである輪状軟骨部、大動脈弓と左主気管支によって圧迫される気管分岐部、そして横隔膜を貫通する食道裂孔部の3箇所です。これらの狭窄部は、異物の誤嚥時に詰まりやすい部位として、また内視鏡検査時に特に注意を要するポイントとして臨床的に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 食道は胃の入口である噴門部につながります。幽門部は胃の出口であり、十二指腸に接続する部分です。正しくは:胃の噴門部につながります。選びやすい理由:食道が胃に続く消化管であることは知られていますが、胃の具体的な接続部位(噴門と幽門)の区別が曖昧な場合に選びやすいです。混同注意:胃の入口(噴門)と出口(幽門)の名称および位置関係を混同している可能性があります。
- 2. 食道の上部約3分の1は、嚥下に関わる随意筋である横紋筋で構成されています。中部から下部にかけて横紋筋と平滑筋が混在し、下部3分の1は主に不随意筋である平滑筋になります。正しくは:その上部3分の1は横紋筋で構成されています。選びやすい理由:一般的な消化管の筋層が平滑筋であるという知識から、食道全体も平滑筋であると誤解してしまうことがあります。混同注意:食道の筋層の構成(横紋筋と平滑筋の割合)と、各筋の随意性・不随意性を混同している可能性があります。
- 3. 正解。食道には、(1)食道入口部(輪状軟骨部)、(2)気管分岐部(大動脈弓と左主気管支による圧迫部)、(3)横隔膜貫通部(食道裂孔部)の3か所に生理的な狭窄部が存在します。これらの部位は、異物の停滞や食道の内視鏡検査・処置の際に特に注意が必要です。
- 4. 成人の食道の長さは、咽頭から胃の噴門まで約25cmです。45cmという長さは、消化管の他の部位(例えば小腸の一部)の長さと混同している可能性があります。正しくは:全長は約25cm程度です。選びやすい理由:人体の器官の長さに関する数値は、他の部位と混同しやすく、おおよその長さとして誤って記憶している可能性があります。混同注意:食道の実際の長さと、小腸などの他の消化管の長さを混同している可能性があります。
国試ポイント
看護師国家試験では、食道をはじめとする消化器系の主要臓器の基本的な解剖学的特徴(名称、位置、長さ、接続部位、筋層の種類、構造上の特徴など)が問われます。特に、生理的狭窄部のように臨床的な意義を持つ構造は頻出です。また、誤嚥や消化器疾患に関連する解剖生理の知識と結びつけて出題されることもあります。
混同注意
食道と胃の接続部位(噴門と幽門)、食道の筋層の構成(上部の横紋筋と下部の平滑筋)、食道の長さ(他の消化管の長さや、咽頭から肛門までの全長などと混同しやすい)がよく混同されます。
次に同じ論点が出たら
この問題で問われた論点(食道の構造)について次に学習する際は、消化器系の他の主要臓器(胃、小腸、大腸など)についても同様に、基本的な解剖学的特徴(長さ、位置、各部位の名称、筋層、血管支配など)を正確に把握しているか確認しましょう。特に、臨床的な意義を持つ構造(例:胃の噴門と幽門の機能、小腸の絨毛構造など)に注目することが重要です。
関連知識
食道の生理的狭窄部は、食物の通過だけでなく、異物誤嚥や内視鏡操作時のリスク部位として認識しておく必要があります。また、嚥下運動は食道上部の横紋筋によって開始され、下部の平滑筋によって蠕動運動が継続されます。食道を取り巻く胸腔内の臓器(気管、大動脈、心臓など)との位置関係も理解しておくことが重要です。