貧血を伴う患者の爪の写真(別冊No. 4)を別に示す。欠乏している栄養素はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
下に示す画像に「匙状爪(スプーン爪)」が描かれている場合、これは鉄欠乏性貧血に特有の身体所見です。鉄はヘモグロビン合成に不可欠であり、その欠乏は貧血を引き起こします。また、鉄は爪の健康維持にも関与しており、欠乏により爪がもろく、薄くなり、中心部が凹んで反り返る特徴的な形になります。したがって、貧血とこの爪の所見から、鉄の欠乏が最も強く疑われます。
選択肢ごとの解説
- 1. ビタミンB群の欠乏は、口角炎や神経症状、皮膚炎など多岐にわたりますが、貧血による爪の変化(スプーン爪など)の直接的な原因としては典型的ではありません。巨赤芽球性貧血の原因としてはビタミンB12の欠乏がありますが、爪の形態変化が特徴的ではありません。正しくは:ビタミンB群はエネルギー代謝や神経機能に重要ですが、爪の変化と直接関連することは稀です。選びやすい理由:ビタミンB群も貧血に関わる栄養素(特にB12、葉酸)であるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血と鉄欠乏性貧血による爪の所見。
- 2. ビタミンCの欠乏は壊血病を引き起こし、歯茎からの出血、皮下出血、疲労感などが主な症状です。貧血を伴うこともありますが、爪の特異的な形態変化(スプーン爪など)とは直接関連しません。正しくは:ビタミンCはコラーゲン生成や抗酸化作用に重要ですが、爪の形態異常の直接の原因ではありません。選びやすい理由:ビタミンCも水溶性ビタミンであり、欠乏症が知られているため、一般的な知識として選択肢に入ると考えがちです。混同注意:他の栄養素欠乏症とビタミンC欠乏症の症状。
- 3. 葉酸の欠乏は巨赤芽球性貧血の原因となり、倦怠感、動悸、息切れなどの貧血症状が現れます。しかし、爪が薄くなったり反り返ったりする「スプーン爪(匙状爪)」のような形態的な変化は、葉酸欠乏による貧血の典型的な爪所見ではありません。正しくは:葉酸はDNA合成に不可欠で、欠乏すると巨赤芽球性貧血になりますが、爪の形態変化とは直接関連しません。選びやすい理由:葉酸も貧血の原因となる栄養素であるため、選択肢として魅力的ですが、爪の特異的な所見との結びつきは弱いです。混同注意:葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血と鉄欠乏性貧血による爪の所見。
- 4. 正解。下に示す画像にスプーン状にへこんだ爪(匙状爪、platyonychiaまたはkoilonychia)が確認できる場合、これは鉄欠乏性貧血に特徴的な所見です。鉄が不足すると爪が薄くもろくなり、中央が凹んで反り返ることがあります。
国試ポイント
鉄欠乏性貧血の症状、特に特徴的な身体所見(匙状爪)を正確に識別できるかどうかが問われています。貧血の原因となる他の栄養素(ビタミンB12、葉酸など)との鑑別も重要です。
混同注意
ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血も貧血の原因となりますが、これらは匙状爪のような特異的な爪の形態変化を直接引き起こすわけではありません。各栄養素欠乏症に特有の症状を区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず提示された身体所見(この場合は爪の形状)がどの疾患や栄養素欠乏に最も特異的であるかを判断します。その上で、選択肢にある他の栄養素欠乏症の症状と区別できるかを確認します。
関連知識
鉄欠乏性貧血の他の症状には、全身倦怠感、易疲労感、息切れ、動悸、顔色不良、口角炎、舌炎、異食症(特に氷を食べる)などがあります。鉄の吸収を促進するビタミンCの摂取も関連知識として挙げられます。