自力での摂取が困難な成人患者の食事介助で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
食事介助において、患者に食事内容が見えるように食器を配置することは、食欲の喚起、唾液分泌の促進、食事への意欲向上に繋がり、安全な摂食・嚥下を促す上で非常に重要です。患者が視覚で情報を得て、これから口に入れるものを認識することは、誤嚥防止にも役立ちます。
選択肢ごとの解説
- 1. 水分量の少ない食品は、口腔内でまとまりにくく、嚥下困難な患者にとっては誤嚥のリスクを高める可能性があります。嚥下能力に合わせて、とろみのあるものやゼリー状のものなど、適切な形態の食品を選ぶ必要があります。正しくは:患者の嚥下能力に合わせて、適切なとろみや形態の食品を用意する。選びやすい理由:固形物の方が食べやすいと感じる誤解があるかもしれない。混同注意:水分が多すぎるとむせるという考えから、水分が少ない方が良いと判断してしまう可能性がある。
- 2. 時間をかけずに次々と食物を口に入れると、患者が十分に咀嚼・嚥下する時間がなく、誤嚥のリスクが非常に高まります。患者のペースに合わせ、一口ずつ確実に嚥下したことを確認してから次の食物を提供するのが原則です。正しくは:患者の嚥下を確認しながら、ゆっくりと患者のペースに合わせて食事を提供する。選びやすい理由:早く食べさせたいという介護者の思いから、効率を重視してしまうかもしれない。混同注意:患者の食欲がある場合、早く食べさせたいという心理が働くことがある。
- 3. 正解。患者が食事内容を目で確認できることは、食欲を刺激し、唾液の分泌を促し、食事への意欲を高める上で重要です。また、食べるものに対する見当識を保ち、誤嚥防止にもつながります。正しくは:患者の視界に入るように食器を配置し、食事への興味を促す。選びやすい理由:特に無し。混同注意:特に無し。
- 4. 患者の下顎が上がる、つまり顎を引いた姿勢(頸部前屈位)は、気道を狭め、誤嚥を防ぐために重要です。高い位置からスプーンを操作すると、患者の顎が上がりやすく、気道が開いて誤嚥のリスクが高まります。介助者は患者の視線より低い位置からスプーンを操作し、顎が上がらないように配慮する必要があります。正しくは:患者の顎が引けるように、介助者は患者の視線より低い位置からスプーンを操作する。選びやすい理由:食べ物を上から見下ろす形で提供した方が食べやすいと誤解することがある。混同注意:食べ物を口に入れやすくするために、高い位置からスプーンを使うのが良いと考えてしまう可能性がある。
国試ポイント
成人患者の食事介助における基本的な原則と誤嚥防止策に関する知識が問われています。特に、安全な食事環境の整備と患者の尊厳への配慮が重要です。
混同注意
食事介助時の体位や食物の形態に関する選択肢は、誤嚥防止の観点から細かな知識が問われるため、混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
この問題で誤答した場合は、食事介助時の姿勢、食物形態、提供方法、環境設定の各側面について、それぞれの理由と根拠を再確認する必要があります。特に誤嚥防止に繋がる具体的な方法を学ぶことが重要です。
関連知識
誤嚥性肺炎の予防、摂食・嚥下機能の評価、食事の形態調整(とろみ食、刻み食など)、食事介助時の声かけ、食事後の口腔ケア。