感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
石鹸を十分に泡立てることで、石鹸と水の接触面積が広がり、手の表面に付着した微生物や汚れを効果的に除去しやすくなります。泡立てることにより、石鹸の界面活性作用が最大限に発揮され、皮膚のしわや指の間など、洗浄が難しい部分にも石鹸が行き渡りやすくなるため、物理的な摩擦と合わせて感染症予防効果が高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。石鹸をしっかりと泡立てることで、石鹸成分が広範囲にわたり汚れや微生物に作用し、洗浄効果が高まります。泡立てることで物理的な摩擦も促され、皮膚の凹凸に入り込んだ微生物も除去しやすくなります。選びやすい理由:手洗いにおける基本的な技術として広く認識されており、直感的に正しいと感じやすい選択肢です。混同注意:石鹸を使えば泡立たなくても効果があるという誤解。泡が立つことで洗浄効果が向上することを理解していない場合。
- 2. 洗面器にためた水で手を洗うと、一度洗い流した汚れや微生物が水中に残り、再び手に付着するリスクがあります。感染症予防のためには、常に清潔な流水で洗い流すことが必須です。正しくは:常に清潔な流水で洗い流す。選びやすい理由:昔ながらの手洗いの方法として一部の人には馴染みがあるかもしれません。節水意識から溜め水を選択しがちですが、感染対策としては不適切です。混同注意:「手洗い」という行為自体と、感染対策のための「適切な手洗い」の区別。水で洗えば手洗いになると誤解している場合。
- 3. 手を拭くためのタオルを複数の人で共有すると、使用者の手に付着していた微生物がタオルを介して他の使用者に伝播する「交差感染」のリスクが高まります。感染症対策としては、ペーパータオルや個人専用の清潔なタオルを使用すべきです。正しくは:使い捨てのペーパータオルか、個人専用の清潔なタオルを使用する。選びやすい理由:家庭などで日常的にタオルを共有している習慣があるため、特に問題視しない人もいるかもしれません。また、節約意識から共有を選択することもあります。混同注意:共有するタオルが清潔に見えれば問題ないという誤解。見た目の清潔さだけでなく、微生物汚染の有無が重要です。
- 4. 塗布したアルコール消毒液は、揮発させることで手指の微生物を死滅させる効果を発揮します。紙で拭き取ってしまうと、消毒液が作用する前に除去されてしまい、十分な消毒効果が得られません。完全に乾燥させるまで擦り込むのが正しい使用法です。正しくは:塗布したアルコール消毒液は、完全に乾燥するまで擦り込む。選びやすい理由:アルコール消毒液が手に残る感覚が苦手な場合、拭き取りたい衝動に駆られることがあります。また、早く次の作業に移りたいという心理も働くかもしれません。混同注意:水洗いの後の拭き取りと、アルコール消毒液の使用方法の混同。水洗いは洗い流すが、アルコール消毒液は蒸発させるという違いを理解していない場合。
国試ポイント
感染経路を遮断するための標準予防策としての手洗いの重要性と具体的な方法を理解すること。特に石鹸による機械的擦過と化学的洗浄、流水による洗い流しの原則を覚える必要があります。
混同注意
通常の汚れ除去と感染症予防のための手洗いの区別。感染症予防手洗いは、単に見た目の汚れを落とすだけでなく、目に見えない微生物の除去を目的としている点で異なります。
次に同じ論点が出たら
感染症予防のための手洗いに関する問題が出た場合、物理的・化学的除去の効果を最大限にする方法(泡立て、流水、拭き取りなど)を選択できているか、また交差汚染のリスクを高める行為(共有タオル、溜め水など)を避けているかを確認して判断します。
関連知識
手洗いには「衛生的手洗い(日常的な手洗い)」と「手術時手洗い(より厳格な手洗い)」があり、それぞれ目的と方法が異なること。アルコール消毒液と手洗いの使い分け(目に見える汚れがある場合は手洗い優先)も重要です。