Aさん(60歳、女性)は、統合失調症で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
精神保健福祉士は、精神疾患を持つ人が地域で安心して生活できるよう、生活費、住居、就労などの社会資源の活用を支援する専門職です。Aさんの「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」という訴えは、まさに精神保健福祉士の専門分野と合致しており、退院後の生活基盤の確立に不可欠な役割を担います。
選択肢ごとの解説
- 1. 薬剤師は、薬の管理や服薬指導、副作用の説明など、薬物療法に関する専門知識を提供します。しかし、Aさんの主な訴えは生活費や住居といった社会復帰支援であり、薬剤師の専門分野とは直接関連が薄いです。正しくは:薬に関する相談が必要な場合に加える。選びやすい理由:服薬管理は退院後の生活において重要だが、Aさんの喫緊の訴えへの対応が優先される。混同注意:薬物療法は精神疾患治療の根幹だが、生活支援の専門家ではない。
- 2. 正解。精神保健福祉士は、精神疾患を抱える人が地域で生活できるよう、社会資源の活用支援、住居の確保、経済的問題への助言、就労支援など、生活全般にわたる相談・支援を行う専門家です。Aさんの「生活費や住む場所がとても心配」という訴えに直接対応できる、最も適切な職種です。選びやすい理由:他の専門職も退院支援に関わる可能性があるため、迷うかもしれない。混同注意:精神保健福祉士と臨床心理士の役割の区別が曖昧だと迷う可能性がある。
- 3. ピアサポーターは、自身も精神疾患の経験を持つ人が、その経験を活かして当事者を支援する役割です。精神的な支えや共感を提供することはできますが、生活費や住居といった具体的な社会資源の調整に関する専門知識や実務は、精神保健福祉士の役割です。正しくは:退院後の精神的な支えや共感、当事者としての情報提供が必要な場合に加える。選びやすい理由:当事者経験に基づく支援は有効だが、直接的な生活支援ではない。混同注意:精神的なサポートと具体的な生活支援の違いを理解する必要がある。
- 4. 臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師等)は、心理査定やカウンセリングを通じて、Aさんの心理的な問題や不安の軽減、精神状態の安定化に貢献します。しかし、生活費や住居の確保といった具体的な社会復帰支援に関しては、直接の専門分野ではありません。正しくは:精神的な不安や心理的問題への介入が必要な場合に加える。選びやすい理由:Aさんの「心配」という感情面へのアプローチとして考えられるが、具体的な生活課題への対応が優先される。混同注意:心理的な問題と社会的な問題への介入方法の違いを明確にする必要がある。
国試ポイント
精神疾患を持つ患者の退院支援において、それぞれの専門職がどのような役割を果たすかを理解しているかが問われます。特に、社会資源の活用や生活支援に関する専門職の知識は重要です。
混同注意
精神保健福祉士と臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師等)の役割の区別。前者は社会的な支援や環境調整に強く、後者は心理的な側面へのアプローチが中心です。
次に同じ論点が出たら
Aさんの具体的な生活状況(貯蓄、利用可能な公的支援など)をさらに詳しくアセスメントし、精神保健福祉士と連携して具体的な支援計画(住居探し、経済的支援申請、日中活動の場など)を策定します。
関連知識
地域移行支援、地域定着支援、障害者総合支援法、精神保健福祉法。退院後の多職種連携における各職種の役割。