難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする防衛機制はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
知性化は、強い感情やストレスを感じる状況において、その感情を直接的に感じることなく、代わりに知的な分析や考察に焦点を当てる防衛機制です。難病患者が病気について深く学習し、知識を身につけることで、感情的な不安を客観的な情報として処理しようとする行動は、まさにこの知性化の典型的な例です。
選択肢ごとの解説
- 1. 否認は、受け入れがたい現実や感情を意識から締め出すことです。このケースでは、病気を受け入れ、学習しているため否認ではありません。正しくは:病気であることを認めず、治療を拒否する。選びやすい理由:病気の重さを認識したくない気持ちから、学習を通して現実から逃避しようとしていると誤解する可能性がある。混同注意:現実逃避、抑圧
- 2. 昇華は、社会的に容認されない衝動や欲求を、容認される目標や活動へと変換することです。病気の学習とは直接関係ありません。正しくは:攻撃衝動をスポーツで発散する。選びやすい理由:ポジティブな行動(学習)を通じて苦痛を乗り越えようとしている点から、良い方向への変換だと捉えてしまう可能性がある。混同注意:転換、代償
- 3. 正解。知性化は、感情的な問題に対して、感情を抑え、知的な分析や論理的な考察を行うことで対処する防衛機制です。病気について学ぶことで不安を解消しようとする行動はこれに該当します。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:(正答のため該当せず)混同注意:(正答のため該当せず)
- 4. 合理化は、受け入れがたい感情や行動に対して、論理的で正当な理由を後付けすることです。病気の学習は理由の後付けではありません。正しくは:試験に落ちたのは、あの先生の教え方が悪かったからだと考える。選びやすい理由:学習という行為自体が理性的であるため、合理化と混同しやすいが、合理化は言い訳や正当化の側面が強い。混同注意:投影、置き換え
- 5. 反動形成は、抑圧された衝動や感情と正反対の行動をとることです。病気の学習とは関連性が低いです。正しくは:嫌いな相手に対して、表面上は非常に親切に接する。選びやすい理由:不安というネガティブな感情を打ち消すための行動(学習)である点で、反動形成と似た構造だと感じてしまう可能性がある。混同注意:抑圧、補償
国試ポイント
防衛機制の具体的な事例を理解し、それぞれがどのような状況で用いられるかを識別できるかが問われる。特に、似たような理性的行動に見える知性化と合理化の違いを明確に理解している必要がある。
混同注意
知性化と合理化、知性化と昇華。知性化は感情を排して知的分析に走るのに対し、合理化は行動や感情の言い訳を正当化する。昇華は不適切な欲求を社会的に許容される形に変える。
次に同じ論点が出たら
今後、防衛機制の問題が出た場合、まず提示された行動が『感情を直接扱うことを避けているか』『どのような形で感情から距離を取っているか』に着目する。特に、情報収集や分析がキーワードの場合は知性化を疑う。
関連知識
防衛機制の種類(例:抑圧、投影、退行、同一視、補償など)、それぞれの定義と具体例。精神看護における防衛機制の理解と患者への関わり方。