脂質異常症の成人患者に対する食事指導の内容で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
高トリグリセリド血症において、アルコールは肝臓でのトリグリセリド合成を促進し、血中トリグリセリド値を上昇させる主要な要因の一つです。そのため、アルコール摂取の制限は高トリグリセリド血症の治療・管理において極めて重要な食事指導の内容となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを低下させる効果があるため、むしろ積極的に摂取することが推奨されます。摂りすぎに注意するのは飽和脂肪酸です。正しくは:不飽和脂肪酸は適量を摂取するよう促し、飽和脂肪酸の過剰摂取に留意します。選びやすい理由:「脂肪酸」という言葉に反応し、すべてを制限すべきだと誤解する可能性があります。混同注意:飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の区別が曖昧だと誤った選択をしてしまいます。
- 2. 現在の脂質異常症に関する食事療法では、コレステロール摂取量の明確な上限値は設定されていません。以前は200mg/日未満が目安とされていましたが、食事からのコレステロール摂取が血中コレステロール値に与える影響は限定的とされ、飽和脂肪酸の制限がより重視されています。600mg/日は誤った数値です。正しくは:コレステロール摂取量の明確な制限値は設定されていませんが、飽和脂肪酸の摂取を控えるよう指導します。選びやすい理由:以前の基準や、一般的な健康情報として「コレステロール制限」という言葉を知っていると、具体的な数値に惑わされる可能性があります。混同注意:古いガイドラインの知識と現在のガイドラインの知識が混同されている可能性があります。
- 3. 正解。アルコールは肝臓での中性脂肪(トリグリセリド)合成を促進するため、高トリグリセリド血症の患者においては、アルコール摂取の制限が非常に重要です。選びやすい理由:特になし。これは直接的な治療的介入です。混同注意:アルコールが中性脂肪に与える影響を理解していないと、この選択肢の重要性を見落とすかもしれません。
- 4. トランス脂肪酸は、LDLコレステロールを増加させ、HDLコレステロールを減少させるなど、心血管疾患のリスクを高めることが知られているため、摂取を控えるべきです。積極的に摂取を促すのは誤りです。正しくは:高LDLコレステロール血症の方には、トランス脂肪酸の摂取を最小限に抑えるよう指導します。選びやすい理由:「脂肪酸」という言葉に漠然としたイメージしか持たない場合、特定の種類の脂肪酸の働きを誤解する可能性があります。混同注意:トランス脂肪酸が健康に与える悪影響についての知識が欠けていると、この選択肢が誤りだと判断できません。
国試ポイント
脂質異常症の食事指導において、各脂質異常症のタイプに応じた具体的な指導内容と、それぞれの栄養素(脂肪酸の種類、コレステロール、アルコール)が血中脂質に与える影響を正確に理解しているかが問われています。特に、誤解しやすい不飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の役割、およびアルコールの影響は頻出です。
混同注意
不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の混同、コレステロール摂取量の旧基準と新基準の混同、トランス脂肪酸の有害性に関する知識不足が混同を招きやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
患者の生活習慣(飲酒習慣、食生活の好み)を詳細にアセスメントし、個別の状況に応じた具体的なアルコール制限量や代替飲料の提案、食生活改善の段階的なアプローチを計画します。
関連知識
飽和脂肪酸はLDLコレステロールを上昇させるため摂取制限が推奨されます。多価不飽和脂肪酸(特にn-3系脂肪酸)はトリグリセリドを低下させる効果があります。LDLコレステロールの管理には、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の制限、食物繊維の摂取促進が重要です。