一次救命処置〈BLS〉で心停止と判断するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
一次救命処置(BLS)では、心停止の判断基準として、意識がないこと、正常な呼吸をしていない(または死戦期呼吸である)こと、体動がないことが挙げられます。死戦期呼吸は、心停止直後に見られる、あえぐような不規則な呼吸であり、有効な呼吸とはみなされず、心停止の重要な兆候とされます。
選択肢ごとの解説
- 1. 奇脈は、吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上下降する状態で、心タンポナーデや重症喘息などで見られますが、心停止の直接的な指標ではありません。脈は触知できる可能性があります。正しくは:心停止時には脈は触知できません。選びやすい理由:脈の異常であるため、心臓の問題に関連する可能性があると誤解を招くかもしれません。混同注意:奇脈は心機能の異常を示唆するが、心停止とは異なる病態であるため混同しやすいです。
- 2. 昏睡は意識障害の重度な状態を指しますが、心停止の直接的な判断基準ではありません。他の原因でも昏睡状態となることがあります(例: 脳卒中、糖尿病性昏睡など)。心停止の場合は、意識障害と共に呼吸停止や脈拍触知不可が伴います。正しくは:心停止の場合、意識消失は伴いますが、昏睡だけでは心停止とは断定できません。選びやすい理由:心停止患者は意識がないため、意識障害である昏睡が関係あるように思えるかもしれませんが、より特異的な指標が必要です。混同注意:心停止時に意識消失が起こるため、意識レベルの低下である昏睡と混同しやすいですが、昏睡は広範な意識障害を指し、心停止に特異的な指標ではありません。
- 3. 正解。一次救命処置において、心停止の判断は意識の有無、呼吸の有無(正常な呼吸でない、または死戦期呼吸)、および体動の有無に基づいて行われます。死戦期呼吸は、心停止直後から見られるあえぐような不規則な呼吸で、有効な呼吸とは見なされず、心停止の兆候として重要視されます。選びやすい理由:通常の呼吸ではないため、呼吸停止と勘違いしやすいかもしれませんが、死戦期呼吸は心停止の徴候であり、有効な呼吸ではないと判断されます。混同注意:死戦期呼吸は「呼吸」という言葉が含まれるため、有効な呼吸と誤解されがちですが、これは心停止の非常に重要な徴候です。
- 4. 四肢のチアノーゼは、末梢循環不全や低酸素血症を示唆する徴候ですが、心停止の直接的かつ早期の判断基準ではありません。チアノーゼが現れるまでには時間がかかる場合があり、他の病態でも見られます(例: 呼吸器疾患、低体温)。正しくは:心停止の初期段階でチアノーゼが必ずしも顕著に現れるわけではなく、より直接的な判断基準ではありません。選びやすい理由:血行不全を示唆するため、心臓停止と関連があるように思えるかもしれません。混同注意:チアノーゼは酸素供給の問題を示すため、心停止と関連付けやすいですが、心停止の初期段階における直接的な判断基準としては不適切です。
国試ポイント
BLSにおける心停止の判断基準を正確に理解しているかが問われています。特に、死戦期呼吸が有効な呼吸ではないこと、そして心停止の兆候であることを把握しておく必要があります。
混同注意
通常の呼吸停止と死戦期呼吸の区別、および意識障害が心停止の直接的な判断基準ではない点について混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
心停止と判断した場合の次の行動は、直ちに周囲に助けを求め(119番通報とAEDの手配)、胸骨圧迫を開始することです。
関連知識
BLSのアルゴリズム(意識・呼吸の確認、応援要請、胸骨圧迫、AED使用)、胸骨圧迫の深さ・速さ、人工呼吸の実施方法。