Aさん(25歳、初産婦)は妊娠経過が順調であり、自然分娩を希望している。妊娠40週2日、陣痛発来し入院した。未破水、陣痛の間欠6分、発作20秒で産痛を訴えている。入院してから4時間経過しており、現在、子宮口4 cm開大している。Aさんへの援助で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
分娩第一期の潜伏期(子宮口4cm開大)は、陣痛がまだ比較的弱く、分娩が本格化する前の準備期間です。この時期の援助としては、妊婦の精神的・身体的苦痛を和らげ、リラックスを促すことが重要です。足浴は、身体を温め血行を促進し、心身のリラックス効果が期待できるため、この段階の妊婦にとって適切な非薬物療法と言えます。これにより、分娩への不安軽減や、その後の陣痛に備える体力温存にも繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。分娩第一期の潜伏期(子宮口4cm開大)は、まだ本格的な陣痛ではないため、リラックスできる足浴などの非薬物的な疼痛緩和ケアは有効です。緊張を和らげ、身体を温めることで血行促進にもつながります。
- 2. 分娩第一期の潜伏期では、過度な安静は必ずしも必要ではありません。むしろ、歩行や体位変換など、ある程度体を動かす方が陣痛促進や気分転換につながることがあります。完全な安静は、身体の緊張を高め、陣痛を妨げる可能性があります。正しくは:必要に応じて体位変換や軽度な歩行を促し、安楽な姿勢で過ごせるよう援助する。選びやすい理由:分娩中の安静は一般的に重要と認識されているため。混同注意:切迫早産などの安静が必要な病態と混同しやすい。
- 3. 分娩第一期の潜伏期では、まだ分娩が長期にわたる可能性があり、体力を温存するために軽度な飲食は許可されることが多いです(ただし、医師の指示による)。絶飲食は、脱水や低血糖を引き起こし、分娩進行に必要なエネルギー不足を招く可能性があります。正しくは:医師の指示を確認し、水分補給や消化の良い軽食を勧める。選びやすい理由:帝王切開などの緊急事態に備えて絶飲食が基本という知識があるため。混同注意:緊急帝王切開や全身麻酔の可能性が高い状況と混同しやすい。
- 4. 子宮口が4cm開大している状態(潜伏期)でいきむのは不適切です。いきみは子宮口が全開大してから行うものであり、この段階でいきむと、子宮口の浮腫や頸管裂傷のリスクを高め、疲労を招くだけでなく、分娩の進行を妨げる可能性があります。正しくは:陣痛中はリラックスし、呼吸法で痛みを乗り切るよう促し、いきまないように説明する。選びやすい理由:陣痛が来たらいきむ、という漠然としたイメージがあるため。混同注意:分娩第二期(子宮口全開大後)のいきみと混同しやすい。
国試ポイント
分娩第一期の潜伏期の妊婦に対する看護援助の基本を問う問題です。特に、身体的・精神的苦痛の緩和と、分娩進行に合わせた適切な介入の知識が求められます。安楽を促す非薬物療法と、分娩進行に沿わない介入(不適切な安静、早期のいきみなど)の区別が重要です。
混同注意
分娩時期による適切な援助の違い、特に潜伏期と活動期の違いを混同しやすい。また、安楽の援助と医療処置(飲食制限、いきみ)の適用時期を混同する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、分娩の進行度(子宮口開大度、陣痛間隔・強度、破水の有無など)と、それに伴う妊婦の状態(疲労度、不安の有無)を具体的に判断し、その時期に最も適した個別的な看護援助を選択できるかどうかが問われます。
関連知識
分娩第一期の区分(潜伏期、活動期)、各期の身体的・精神的変化、疼痛緩和の非薬物療法(温罨法、マッサージ、体位変換、呼吸法)、分娩中の飲食の基本、いきみの開始時期。