感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
感染を伴わない創傷の治癒を促進させるためには、創部を清潔に保ち、余分な滲出液や異物を除去し、適度な湿潤環境を維持することが重要です。生理食塩水や清潔な水道水による洗浄は、これらの目的を達成するための基本的な処置であり、治癒を妨げることなく創部の環境を整えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 創傷治癒には適度な湿潤環境が重要です。乾燥させるとかさぶたが形成され、上皮化が阻害される可能性があります。正しくは:創部を乾燥させず、適度な湿潤環境を保つ。選びやすい理由:昔の知識や一般的な感覚では「傷は乾かした方が良い」と思われがちですが、現代の創傷ケアでは誤りです。混同注意:湿潤環境と感染は混同しやすいですが、適切な湿潤は治癒を促進し、乾燥はむしろ治癒を遅らせます。感染がなければ湿潤療法が有効です。
- 2. 感染を伴わない創傷の場合、消毒薬は創部の細胞(特に肉芽形成に関わる細胞)にダメージを与え、治癒を遅らせる可能性があります。感染予防には石鹸と流水による洗浄が推奨されます。正しくは:感染がなければ消毒薬は使用せず、洗浄に留める。選びやすい理由:「消毒=清潔=治癒促進」という誤ったイメージから選びやすいです。特に手術創などでは消毒という言葉がよく使われるため、日常的な創傷にも適用できると思いがちです。混同注意:感染のある創傷に対する消毒と、感染のない創傷に対する消毒を混同しやすいです。感染のない場合は消毒よりも洗浄が優先されます。
- 3. 正解。感染のない創傷であっても、異物や滲出液を除去し、創部を清潔に保つために生理食塩水や水道水による洗浄は重要です。これにより創傷治癒に適した環境が整い、肉芽形成や上皮化が促進されます。
- 4. ガーゼ保護は創部を乾燥させやすく、滲出液を吸収しすぎることで、かえって創傷治癒を妨げる可能性があります。また、交換時に新しく形成された組織を傷つけることもあります。正しくは:ガーゼではなく、適切なドレッシング材(例えばポリウレタンフィルムドレッシングやハイドロコロイドドレッシングなど)で湿潤環境を保つ。選びやすい理由:一般的に「傷にはガーゼ」というイメージが強く、保護するという行為自体は正しいと捉えられがちです。しかし、現代の創傷ケアではその素材が問題になります。混同注意:「保護」と「適切なドレッシング材の選択」を混同しやすいです。保護は必要ですが、その方法として乾燥させるガーゼは適切ではありません。湿潤環境を保つためのドレッシング材が推奨されます。
国試ポイント
創傷治癒の基本的な原則と、従来のケア(乾燥、消毒、ガーゼ)と現代の湿潤療法との違いを理解しているかが問われる問題です。特に「感染を伴わない」という条件が重要です。
混同注意
感染創と非感染創のケアの違い、消毒と洗浄の違い、乾燥療法と湿潤療法の違い。
次に同じ論点が出たら
「感染を伴う創傷」のケアについて問われたらどうなるか、各被覆材の具体的な適用について問われたらどうなるかを考える。
関連知識
湿潤療法(Moist Wound Healing)、被覆材の種類と選択(ハイドロコロイド、ポリウレタンフォーム、フィルム材など)、創傷アセスメント、肉芽形成、上皮化。