成人の採血検査で最も用いられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
肘正中皮静脈は、尺側皮静脈と橈側皮静脈をつなぐ位置にあり、上腕中央を走行します。体表から視認しやすく触知しやすいこと、比較的太く直線的で固定されやすいこと、穿刺後の止血が容易であること、重要な神経や動脈との距離が比較的離れていることなどから、成人における採血や静脈注射において最も頻繁に利用される血管です。
選択肢ごとの解説
- 1. 外頸静脈は頸部に位置し、緊急時や末梢静脈確保が困難な場合に選択されることがありますが、日常的な採血や静脈注射の第一選択ではありません。患者への心理的負担や、穿刺時の体動によるリスクが高いためです。正しくは:日常的な採血には肘正中皮静脈が最も適しています。選びやすい理由:比較的太く視認しやすいことがあり、緊急時の静脈確保で選択肢となるため。混同注意:中心静脈カテーテル留置の内頸静脈と誤解したり、緊急時の静脈確保の選択肢の一つであることから、日常的な採血にも用いられると誤解することがある。
- 2. 大腿静脈は鼠径部に位置し、感染リスクが高く、深部にあり穿刺には高度な技術を要します。また、血栓症のリスクも高く、通常は中心静脈確保や緊急時、末梢静脈確保が極めて困難な場合にのみ選択されます。日常的な採血には不向きです。正しくは:日常的な採血には肘正中皮静脈が最も適しています。選びやすい理由:太い血管であるため、緊急時には選択肢になりうると考えるため。混同注意:中心静脈確保や緊急時の代替ルートの一つであることから、一般の採血にも用いられると誤解することがある。
- 3. 大伏在静脈は下肢内側を走行し、足関節内側で視認できることもありますが、下肢の血管は上肢に比べて血栓形成のリスクが高く、日常的な採血や点滴には通常用いられません。特に、臥床患者ではうっ滞しやすい傾向もあります。正しくは:日常的な採血には肘正中皮静脈が最も適しています。選びやすい理由:体表から比較的視認しやすい静脈であるため、採血に使えると考える人もいるため。混同注意:下肢静脈瘤の手術対象となる血管であることや、緊急時の代替ルートの一つであることから、日常的な採血にも用いられると誤解することがある。
- 4. 正解。肘正中皮静脈は、体表から視認・触知しやすく、比較的太く、重要な神経や動脈から離れており、穿刺後の止血も容易であるため、成人における採血や静脈注射で最も頻繁に利用されます。選びやすい理由:最も一般的で安全な選択肢であるため、医学的知識があれば迷わず選択できる。
国試ポイント
成人における採血・静脈注射に最適な血管は肘正中皮静脈であることを理解する。その理由(視認性、触知性、固定性、太さ、神経・動脈との関係)を説明できるようにする。
混同注意
他の静脈(外頸静脈、大腿静脈、大伏在静脈)も静脈確保に用いられることがあるが、これらは特定の状況下(緊急時、末梢静脈確保困難時、乳幼児など)での選択肢であり、日常的な採血・点滴の第一選択とはならない点で区別する。
次に同じ論点が出たら
「成人」「血液検査」「最も頻繁に利用」というキーワードがあれば、肘正中皮静脈が第一選択肢であることを判断する。
関連知識
乳幼児や小児では、頭部表在静脈(前頭静脈など)や手背静脈、足背静脈などが用いられることが多い。また、緊急時や末梢静脈確保が困難な場合には、中心静脈カテーテル留置(鎖骨下静脈、内頸静脈など)が検討される。