自助具を図に示す。関節リウマチによって肩関節に痛みがある患者の関節保護のための自助具として最も適切なのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
関節リウマチによる肩関節の痛みがある患者は、肩関節の可動域制限や痛みにより、背中や頭部などの身体の後ろ側の清潔保持が困難になる。長柄ブラシは柄が長いため、肩関節の屈曲・外転・外旋動作の負担を軽減し、痛みなく身体を洗うことを可能にするため、関節保護に最も適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. 万能カフは、手指の把持力が低下した患者がスプーンや歯ブラシなどを保持するために用いられる自助具であり、肩関節の痛みに直接的な関節保護効果はない。正しくは:万能カフは手指の機能低下に対し、対象物を把持しやすくすることで、食事や整容動作を補助する。選びやすい理由:自助具として一般的に知られているため、深く考えずに選択してしまう可能性がある。しかし、問題文の「肩関節の痛み」という条件を見落としてはならない。混同注意:手指の関節保護のための自助具(例:把持補助具)と、肩関節の関節保護のための自助具。
- 2. 正解。長柄ブラシは、肩関節の可動域が制限されたり、痛みがある患者が背中や足などを洗う際に、肩関節の過度な動きを避けて身体の清潔を保つことを可能にする。これにより、肩関節への負担が軽減され、関節保護につながるため、最も適切である。選びやすい理由:直感的に用途が分かりやすい。混同注意:自助具の種類は多いため、それぞれの用途を正確に理解することが重要。
- 3. コップホルダーは、手の把持力が低下した患者がコップを持ちやすくするための自助具であり、肩関節の痛みに対する関節保護効果はない。コップを持つ動作自体は、肩関節に大きな負担をかけないことが多い。正しくは:コップホルダーは手指の機能低下に対し、コップの把持を容易にすることで、飲水動作を補助する。選びやすい理由:こちらも自助具として馴染みがあるため、誤って選択する可能性がある。肩関節の痛みに焦点を当てる必要がある。混同注意:手指の関節保護のための自助具と、肩関節の関節保護のための自助具。
- 4. レバー式ドアノブは、手指の握力低下や関節の変形がある患者がドアを開閉しやすくするための自助具であり、肩関節の痛みに対する関節保護効果はない。丸型ノブに比べ、指への負担は軽減されるが、肩関節の負担とは直接関係がない。正しくは:レバー式ドアノブは手指の機能低下に対し、ドアの開閉動作を容易にすることで、手指への負担を軽減する。選びやすい理由:ユニバーサルデザインの観点から良い製品であるため、適切な自助具だと感じやすい。しかし、問題の「肩関節の痛み」への対応ではない。混同注意:手指の関節保護のための自助具と、肩関節の関節保護のための自助具。
国試ポイント
関節リウマチ患者の関節保護を目的とした自助具の選択。患者の症状と日常生活動作(ADL)を考慮し、適切な自助具を選定する能力が問われる。
混同注意
関節リウマチの症状は多岐にわたるため、自助具がどの関節の、どのような動作を補助するのかを正確に理解することが重要である。例えば、手の関節保護のための自助具と、肩関節保護のための自助具を混同しない。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず患者の主訴(今回の場合は「肩関節の痛み」)と、それが日常生活のどのような動作に影響するかを具体的にイメージする。次に、各自助具がどの身体部位の、どのような動作を補助するのかを理解し、患者のニーズに最も合致するものを選ぶ。
関連知識
関節リウマチの関節保護原則には、負担の軽減、安静の確保、不良肢位の回避、関節可動域の維持などがある。自助具の選定はこれらの原則に基づき行われる。また、自助具は患者の残存機能や生活環境に合わせて個別的に選択する必要がある。