妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
風疹ウイルスが妊娠初期、特に妊娠12週頃までに母親に感染した場合、胎児に先天性風疹症候群(CRS)を引き起こします。CRSの症状として、白内障、心疾患(動脈管開存、肺動脈狭窄など)、そして感音難聴が挙げられ、特に難聴は高頻度に認められる症状です。そのため、妊娠初期の風疹感染は児に難聴が生じる可能性が高いと言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 水痘ウイルス(Varicella-zoster virus)が妊娠初期に感染すると、胎児に先天性水痘症候群を引き起こす可能性があります。これには皮膚病変、四肢低形成、眼症状などが含まれますが、難聴は主要な症状ではありません。正しくは:水痘感染は胎児に先天性水痘症候群を引き起こすことがあるが、難聴は主な症状ではない。選びやすい理由:ウイルス感染症であるため、胎児への影響が広範囲に及ぶ可能性を想起させる。混同注意:他のウイルス感染症と混同し、胎児奇形全体のリスクと捉えてしまう可能性がある。
- 2. 正解。風疹ウイルスが妊娠初期、特に妊娠12週までに母親に感染すると、胎児に先天性風疹症候群(CRS)を引き起こす可能性が非常に高くなります。CRSの主要な3徴は、白内障や緑内障などの眼症状、心奇形(特に動脈管開存)、そして感音難聴です。難聴は最も頻繁に見られる症状の一つです。正しくは:風疹は妊娠初期の感染で先天性風疹症候群を引き起こし、感音難聴はその主要な症状の一つである。選びやすい理由:風疹はワクチンで予防可能であり、妊娠可能年齢の女性に対するワクチン接種が推奨されるほど、胎児への影響が重篤であることが知られているため、選択肢として有力視されやすい。混同注意:他のウイルス感染症も胎児に影響を与えるため、それぞれの特徴的な症状を正確に覚えていないと誤答につながる。
- 3. 麻疹ウイルスが妊娠中に感染した場合、流産や早産のリスクが高まりますが、胎児に先天性奇形(特に難聴)を引き起こすという明確な証拠は確立されていません。胎児への直接的な影響よりは、母親の重症化による二次的な影響が懸念されます。正しくは:麻疹感染は流産や早産のリスクを高めるが、胎児の難聴発生リスクは低い。選びやすい理由:麻疹も一般的なウイルス感染症であり、重症化する可能性が高いため、胎児への影響を懸念させる。混同注意:風疹と麻疹は混同されやすく、どちらが先天異常(特に難聴)のリスクが高いかを正確に理解していないと誤る。
- 4. 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ウイルスが妊娠中に感染しても、胎児に先天性奇形(難聴を含む)を引き起こすリスクは低いとされています。ただし、妊娠初期に感染した場合、流産のリスクがわずかに上昇する可能性が指摘されています。正しくは:流行性耳下腺炎は妊娠初期の感染による胎児の難聴発生リスクは低い。選びやすい理由:「耳下腺炎」という名称から「耳」に関連する難聴を想起させやすい。混同注意:耳に関する病名から、難聴と直接的に結びつけてしまう可能性がある。
国試ポイント
妊娠中の感染症とその胎児への影響(特に先天異常のリスク)は、看護師国家試験で頻繁に出題される重要なポイントです。各感染症が引き起こす具体的な胎児への影響(例:風疹の3徴、サイトメガロウイルス感染症の症状など)を正確に理解しておく必要があります。
混同注意
風疹と麻疹、水痘など、妊娠中に注意すべきウイルス感染症が多数存在するため、それぞれの特徴的な胎児への影響を混同しないように注意が必要です。特に、風疹が先天異常(特に難聴)のリスクが高いことを覚えておくことが重要です。
次に同じ論点が出たら
この問題が解けた場合、次のステップとして、他のTORCH症候群(トキソプラズマ症、サイトメガロウイルス感染症、ヘルペスウイルス感染症など)が妊娠中に感染した場合に胎児にどのような影響を与えるか、そしてそれらの予防・治療について学習すると良いでしょう。また、妊娠前に行うべき感染症のスクリーニング検査やワクチン接種についても復習しましょう。
関連知識
妊娠中の感染症には、TORCH症候群(トキソプラズマ症、Other-梅毒など、風疹、サイトメガロウイルス感染症、ヘルペスウイルス感染症)としてまとめられるものがあります。これらは胎盤を介して胎児に感染し、重篤な影響を与える可能性があるため、それぞれの病原体と症状、予防策を学習することが不可欠です。