血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
グルカゴンは血糖値を上昇させるホルモンであり、インスリンと協調して血糖の恒常性維持に重要な役割を担っています。食事を摂取すると血糖値が上昇し、インスリン分泌が促進され、結果としてグルカゴンの分泌は抑制されます。逆に、空腹時や低血糖時にはグルカゴン分泌が促進され、肝臓からのブドウ糖放出を促して血糖値を維持します。このように、グルカゴンの血中濃度は食事の有無や内容に強く影響されるため、測定時には食事からの時間などの条件を考慮する必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。グルカゴンは血糖値を上昇させるホルモンであり、インスリンと協調して血糖の恒常性維持に重要な役割を担っています。食事を摂取すると血糖値が上昇し、インスリン分泌が促進され、結果としてグルカゴンの分泌は抑制されます。逆に、空腹時や低血糖時にはグルカゴン分泌が促進され、肝臓からのブドウ糖放出を促して血糖値を維持します。このように、グルカゴンの血中濃度は食事の有無や内容に強く影響されるため、測定時には食事からの時間などの条件を考慮する必要があります。
- 2. メラトニンは主に概日リズム(睡眠・覚醒サイクル)を調節するホルモンであり、光刺激(日中の明るさ)や暗闇によってその分泌が影響されます。食事摂取とは直接的な関連がほとんどありません。正しくは:メラトニンの血中濃度は、主に日照時間や夜間の暗闇といった光刺激によって変動します。選びやすい理由:ホルモン全般の知識があれば、どれも体内で重要な働きをしているため、選択肢として魅力的かもしれませんが、食事との関連は薄いです。混同注意:他のホルモン、例えば成長ホルモンや甲状腺ホルモンなど、日内変動はあるが食事の影響は限定的であるホルモンと混同するかもしれません。
- 3. コルチゾールはストレス応答や糖代謝などに関わるホルモンで、日内変動(早朝に高く、夜間に低い)が顕著です。また、身体的・精神的ストレスによって分泌が促進されますが、食事そのものが血中濃度に直接的かつ大きく影響することは稀です。正しくは:コルチゾールの血中濃度は、主に日内変動とストレスの有無によって変動します。選びやすい理由:糖代謝に関わるため、食事と関係があるように見えるかもしれませんが、直接的な変動は限定的です。混同注意:インスリンやグルカゴンのような血糖調節ホルモンと混同したり、ストレスによる食欲増進など、間接的な関連と直接的な関連を誤解したりする可能性があります。
- 4. バゾプレシン(抗利尿ホルモン)は体内の水分バランスや血圧調節に関与するホルモンです。血漿浸透圧の上昇や循環血液量の減少などによって分泌が促進されます。食事摂取による水分や塩分摂取が間接的に影響することもありますが、血中濃度測定において食事の影響を特に考慮する必要があるほどではありません。正しくは:バゾプレシンの血中濃度は、主に体内の水分量や血漿浸透圧によって変動します。選びやすい理由:水分摂取と食事は関連するため、誤って選択してしまうかもしれません。混同注意:電解質バランスに関わるアルドステロンなど、他の体液調節ホルモンと混同する可能性があります。
国試ポイント
本問題は、主要なホルモンの生理作用と、その血中濃度が食事などの外的要因によってどのように影響を受けるかを問うものです。特に、血糖調節に関わるホルモン(インスリン、グルカゴンなど)は食事との関連が深いため、採血条件の理解は臨床上非常に重要です。個々のホルモンの機能だけでなく、それが体内でどのように変動するか、採血に際してどのような注意が必要かという実践的な知識が求められます。
混同注意
血糖値を下げるインスリンも食事の影響を大きく受けますが、本問の選択肢にはありません。食事の影響を受けやすいホルモン群(インスリン、グルカゴン、インクレチンなど)と、食事以外の要因(日内変動、光刺激、ストレス、体液量など)で変動するホルモン群(コルチゾール、メラトニン、バゾプレシンなど)の区別が曖昧だと誤答しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が問われる際は、インスリンなど他の血糖調節ホルモンが選択肢に含まれるか、あるいは日内変動を考慮すべきホルモンなど、別の要因で血中濃度が変動するホルモンとの区別を問われる可能性があります。また、具体的な採血前の指示内容(例:絶食時間)と関連付けて出題されることも考えられます。
関連知識
血糖調節ホルモン(インスリン、グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンなど)、内分泌系の機能、ホルモンの日内変動、採血時の食事制限が必要な検査項目(血糖値、脂質、各種ホルモンなど)。