脳血管造影を行う患者の看護について適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
脳血管造影検査後は、カテーテル挿入部からの出血や血栓形成による血管閉塞などの合併症に注意が必要です。特に、カテーテルが挿入された血管の末梢側への血流が維持されているかを確認することは非常に重要であり、動脈拍動の有無や強さの観察は循環障害の早期発見に直結します。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳血管造影は通常、鼠径部や肘の動脈からカテーテルを挿入して行われるため、頭部の剃毛は一般的ではありません。頭部手術など、頭部に直接処置を行う場合に必要となります。正しくは:通常、頭部の剃毛は不要である。カテーテル挿入部(鼠径部など)の除毛は必要に応じて行う。選びやすい理由:造影検査と聞くと大がかりな処置を連想し、手術前処置の一つである剃毛が必要だと誤解しやすい。混同注意:脳外科手術前の剃毛と混同しやすい。
- 2. 脳血管造影検査中は、患者の意識レベルや状態を把握するため、また不安を軽減するためにも、適宜声かけを行い、状態変化がないか確認することが重要です。特に頭部にカテーテルが達するときの不快感や、造影剤注入時の熱感などについて説明し、声かけで安心感を与える必要があります。正しくは:検査中も患者の不安を軽減し、状態を把握するために、適宜声かけを行う。選びやすい理由:検査の妨げにならないように静かにするべきだと考えがち。集中力を要する手技だからというイメージから、話しかけてはいけないと誤解しやすい。混同注意:集中力を要する検査や、患者を安静に保つことが最優先される状況(例:MRI検査で動かないように指示する場合など)と混同しやすい。
- 3. 正解。脳血管造影後、カテーテルを抜去した後の止血が不十分であったり、血栓形成などによって血管が閉塞したりすると、挿入部より末梢の血流が障害されるリスクがあります。そのため、挿入部より末梢側(例えば鼠径部からの挿入であれば足背動脈など)の動脈拍動の有無や強さを確認することは、出血や血栓症などの合併症を早期に発見し、迅速に対応するために極めて重要です。
- 4. 脳血管造影は造影剤を使用するため、アレルギー反応や迷走神経反射、嘔気・嘔吐による誤嚥のリスクがあります。そのため、通常は検査の数時間前(少なくとも4〜6時間前が目安)から絶飲食とするのが一般的です。30分前では絶飲食の時間が短すぎます。正しくは:検査中の嘔吐や誤嚥を防ぐため、通常は検査の数時間前(4〜6時間前が目安)から絶飲食とする。選びやすい理由:比較的短時間で終わる検査と誤解したり、他の短時間で済む検査(例:単純X線撮影など)の飲食制限と混同したりしやすい。混同注意:短時間で済む検査の飲食制限や、水分摂取のみ許される検査と混同しやすい。
国試ポイント
脳血管造影検査は、その特殊性から検査前後の看護が頻繁に問われます。特に、前処置(絶飲食、アレルギー確認)、検査中の観察(バイタルサイン、患者の状態、造影剤反応)、検査後の看護(止血、安静度、循環状態の観察、合併症の早期発見)が重要です。本問では、検査後の循環状態の観察という重要項目が問われています。
混同注意
脳血管造影検査は侵襲的な検査であるため、他の外科手術や頭部への処置と前処置(剃毛など)を混同しやすかったり、集中力を要する検査中に患者への声かけが不要だと誤解したりする場合があります。また、絶飲食の必要性や時間についても、検査の種類によって異なるため、間違えやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず「検査の目的」と「検査に伴うリスク」を考慮し、それらに対応する看護ケアを考えます。特に、侵襲的な検査後の観察項目は、合併症の種類とそれによって生じる症状を結びつけて考え、優先順位を判断することが重要です。
関連知識
脳血管造影検査は、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、血管狭窄などの診断や、脳血管内治療(コイル塞栓術、ステント留置術など)に用いられます。検査の目的やリスク(造影剤アレルギー、腎機能障害、脳梗塞、穿刺部合併症など)を理解し、適切な看護ケアを提供することが求められます。特に、カテーテル挿入部(大腿動脈、橈骨動脈など)の管理と、それによる末梢循環障害の早期発見が重要です。