Aさん(80歳、女性)は1人暮らし。要介護2の認定を受け、長男(50歳、会社員)、長男の妻(45歳、会社員)、孫(大学生、男性)と同居することになった。長男の家の間取りは、洋室5部屋、リビング、台所である。Aさんは同居後に訪問看護を利用する予定である。訪問看護を利用するにあたりAさんの家族から「在宅介護は初めての経験なのでどうすればよいですか」と訪問看護師に相談があった。訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
在宅介護では、同居家族の介護負担が過度になることを避けるため、家族全員で介護に関する役割分担を話し合い、合意形成を図ることが重要です。特定の個人に負担が集中すると、介護者の燃え尽きや家族関係の悪化を招くリスクがあるため、これは介護を継続可能なものとする上で不可欠な視点です。
選択肢ごとの解説
- 1. 介護用ベッドの設置場所は、Aさんの身体状況、生活動線、他の家族の生活空間との兼ね合いを総合的に判断して決定すべきであり、説明の初期段階でリビング設置と断定するのは不適切です。また、洋室があるため、そちらの利用も検討すべきです。正しくは:介護用ベッドの設置場所については、Aさんの状態と家族の生活状況をアセスメントした上で、最適な場所を一緒に検討しましょうと説明する。選びやすい理由:介護用ベッドは利用者の生活の中心となるため、その設置場所についてアドバイスすることが親切だと感じやすい。混同注意:具体的なアドバイスが即座に問題を解決すると誤解すること。
- 2. 家族の生活リズムを全面的に見直すことは、家族にとって大きな負担となり、生活の質の低下や介護継続の困難さに繋がる可能性があります。Aさんの介護と家族の生活リズムのバランスを取りながら、調整していく姿勢が重要です。正しくは:Aさんの介護と家族の生活リズムの調整については、無理のない範囲で少しずつ話し合い、必要に応じてサービスも活用しながら検討しましょうと説明する。選びやすい理由:介護は生活全体に影響するため、家族の生活リズムの調整は必要であると考えやすい。混同注意:介護中心の生活への移行と、家族全体のQOL維持のバランス。
- 3. 利用できる在宅サービスを闇雲にたくさん活用するだけでは、サービス費用が高額になったり、かえって家族の主体性を阻害したりする可能性があります。Aさんのニーズと家族の希望、経済状況に応じて、適切なサービスを必要な分だけ利用することが大切です。正しくは:利用できる在宅サービスについては、Aさんの状態やご家族の希望、状況に応じて、必要なものをケアマネージャーと一緒に検討し、適切に活用しましょうと説明する。選びやすい理由:サービス利用が家族の負担軽減に繋がるため、たくさん利用すれば良いと考えやすい。混同注意:サービス利用の意義と、サービスの過剰利用のデメリット。
- 4. 正解。この選択肢が正答です。在宅介護では、特定の同居家族に介護負担が集中すると、身体的・精神的な疲弊やストレス、介護離職、家族関係の悪化などを引き起こすリスクが高まります。そのため、同居家族全員で介護に対する役割分担について話し合い、負担を公平に分かち合うことで、介護の継続性を高め、家族全体の生活の質を維持することが非常に重要です。訪問看護師は、その話し合いを促し、支援する役割を担います。選びやすい理由:家族の負担軽減とQOL維持は、在宅介護における重要な課題であるため、この選択肢が最も適切であると判断しやすい。
国試ポイント
在宅介護における家族支援の原則と、家族間の役割分担の重要性について理解しているか。
混同注意
介護サービス利用の促進と家族の役割を混同しやすい。サービス利用はあくまで家族支援の一環であり、家族自身の主体的な関わりと負担軽減が最終目的。
次に同じ論点が出たら
在宅介護に関する問題では、家族の負担軽減、介護の継続性、そして利用者と家族のQOL向上に最も資する選択肢が正答となる傾向がある。
関連知識
在宅介護における多職種連携(ケアマネージャー、訪問看護師、ヘルパーなど)、介護保険サービスの種類と利用方法、介護者のメンタルヘルスケア。