Aさん(22歳、統合失調症)は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、アルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後に一般企業で働きたいと希望している。看護師がAさんに提案するサービスで適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Aさんは高校卒業後、アルバイトをしていましたが、症状悪化により入院。退院後は一般企業での就労を希望しています。就労移行支援は、障害者総合支援法に基づくサービスで、一般企業等への就労を希望する障害者に対し、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練や職場実習、就職活動の支援、職場定着のための支援を行うものです。Aさんの状況と希望に最も合致しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 行動援護は、視覚障害や知的障害、精神障害により行動に著しい困難がある者が外出する際に、危険を回避するために必要な援護や外出中の介護を行うサービスです。Aさんは統合失調症ですが、外出時の危険回避や行動の介助が必要であるという具体的な記述はありません。就労希望というAさんの現在のニーズとは異なります。正しくは:行動援護ではなく、就労移行支援が適切です。行動援護は、行動障害を持つ方が外出する際の支援を指します。選びやすい理由:精神疾患を持つ方への支援の一つとして、行動面への介入が連想されるかもしれませんが、Aさんの最も強いニーズは就労です。混同注意:同行援護(視覚障害者の外出支援)や、その他の外出支援サービスと混同しやすいです。行動援護は行動障害に特化しています。
- 2. 正解。Aさんは一般企業で働くことを希望しており、就労移行支援は一般就労を希望する障害者に対して、就労に必要な訓練や職場実習、就職活動の支援、職場定着のための支援を提供するサービスであり、Aさんの状況と希望に最も合致しています。選びやすい理由:Aさんの就労への強い意欲と、精神科病院退院後の社会復帰を支援する文脈から、就労移行支援が直接的にニーズに応えるため、選択しやすいです。混同注意:就労継続支援(A型・B型)や自立訓練(生活訓練)など、他の障害福祉サービスとの違いを理解していないと迷う可能性があります。
- 3. 自立生活援助は、居宅で単身等で生活する障害者が抱える課題解決のための援助や、関係機関との連絡調整を行うサービスです。Aさんは現在、父親、母親、妹と4人暮らしであり、単身で生活しているわけではないため、このサービスの対象とはなりません。また、現在のAさんの最も強い希望は就労です。正しくは:自立生活援助ではなく、就労移行支援が適切です。自立生活援助は単身等の障害者に対する居宅生活支援です。選びやすい理由:精神障害者が地域で自立した生活を送るための支援、という大枠では合致しますが、Aさんは単身生活ではなく、かつ就労という具体的な目標があるため、直接的な支援ではありません。混同注意:地域移行支援(入所施設等から地域生活への移行支援)や、自立訓練(生活訓練)など、地域生活を支援する他のサービスと混同しやすいです。
- 4. 地域定着支援は、居宅で単身等で生活する障害者に対し、常時の連絡体制を確保し、緊急時の対応を行うサービスです。Aさんは現在、父親、母親、妹と4人暮らしであり、単身で生活しているわけではないため、このサービスの対象とはなりません。また、現在のAさんの最も強い希望は就労です。正しくは:地域定着支援ではなく、就労移行支援が適切です。地域定着支援は単身等の障害者に対する緊急時対応を含む地域生活支援です。選びやすい理由:精神障害者が退院後に地域で安定して生活するための支援、という点では関連しますが、Aさんは単身ではなく、かつ就労という具体的な目標があるため、優先すべきサービスではありません。混同注意:自立生活援助と同様に、地域生活を支援する他のサービス(地域移行支援、自立訓練(生活訓練))と混同しやすいです。
国試ポイント
障害者総合支援法に基づく自立支援給付(訓練等給付)の種類と目的を理解することが重要です。特に、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)、自立訓練(機能訓練・生活訓練)は頻出です。
混同注意
就労移行支援と就労継続支援(A型・B型)は混同しやすいため注意が必要です。就労移行支援は一般就労を目指すのに対し、就労継続支援は一般就労が困難な方が生産活動の機会を得て就労訓練を行うサービスです。また、自立訓練(生活訓練)は就労ではなく地域生活に必要なスキルの習得が目的です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まずクライエントの現在の状況(疾患名、生活状況、家族構成など)と最も強く希望していること(就労、地域生活、単身での自立など)を把握します。その上で、希望を叶えるために最も直接的に関連する障害福祉サービスを選択します。特に就労に関する希望がある場合は、就労移行支援、就労継続支援(A型/B型)のいずれかを検討します。
関連知識
障害者総合支援法の目的は、障害者が地域社会で自立した生活を送れるよう支援することです。サービスは、介護給付、訓練等給付、地域生活支援事業などに分類されます。各サービスの対象者や提供内容を把握しておくことが、適切なサービス選択につながります。Aさんのように就労意欲がある場合は、就労関連サービスが優先的に検討されます。