体位が身体に与える影響について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
仰臥位から急に立ち上がると、重力の影響で下半身に血液が貯留し、心臓に戻る血液量(静脈還流量)が一時的に減少します。この血液量の減少を補い、脳などの重要臓器への血流を維持するために、自律神経系が働き、心拍数を増加させて心拍出量を維持しようとします。これが脈拍が速くなる主な理由です。
選択肢ごとの解説
- 1. 座位から仰臥位に移行すると、横隔膜の動きが制限され、肺活量が減少することがあります。特に呼吸器疾患のある患者では、呼吸が困難になる場合があります。正しくは:座位から仰臥位になると、横隔膜の動きが制限され呼吸がしにくくなることがある。選びやすい理由:楽になる体位があることも事実であるため、一般的な現象として誤って選択される可能性がある。混同注意:呼吸困難時の体位と混同される可能性がある。例えば、起座呼吸を必要とする患者は座位で呼吸が楽になる。
- 2. 座位と立位では血圧に大きな差はありません。血圧は体位によって変動しますが、心臓の高さにカフを巻けば測定値はほぼ同じになります。一般的に、立位では重力により下肢への血液貯留が増え、一時的に心臓への静脈還流量が減少するため、代償的に心拍出量が増加し、血圧は維持されるか、わずかに変動する程度です。正しくは:立位と比較して座位の方が収縮期血圧はほとんど変わらない。選びやすい理由:安静にしているイメージから、座位の方が血圧が低いと直感的に考えてしまうかもしれない。混同注意:安静時の血圧と、活動時の血圧の概念と混同される可能性がある。
- 3. 正解。仰臥位から急に立位になると、重力により下半身に血液が移動し、一時的に心臓への静脈還流量が減少します。これを補うために、心臓は心拍数を増加させて心拍出量を維持しようとします(起立性調節反応)。正しくは:仰臥位から急に立位になると脈拍が速くなる。選びやすい理由:よく経験する現象であり、比較的理解しやすい。混同注意:起立性低血圧と関連する現象だが、こちらは脈拍の増加に焦点を当てている。
- 4. トレンデレンブルグ位は、下肢に貯留している血液を心臓に戻し、静脈還流量を増加させる効果があります。これにより心拍出量が増加し、収縮期血圧は上昇するか維持される傾向にあります。血圧が低下しているショック時などに用いられる体位です。正しくは:立位からトレンデレンブルグ位になると収縮期血圧が上昇する。選びやすい理由:頭が低い体位で血圧が下がるイメージを持ってしまうかもしれない。混同注意:他の体位変化による血圧変動や、血圧上昇時の体位(例えば座位での安静)と混同される可能性がある。
国試ポイント
体位変化が循環器系(特に血圧と脈拍)に与える生理学的な影響について問われています。特に起立性低血圧やショック時の体位など、看護実践で重要な知識が背景にあります。
混同注意
各体位変化による心拍数と血圧の変動、呼吸器系への影響を正確に理解していないと、混同しやすい問題です。特にトレンデレンブルグ位の効果について誤解があると間違えやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、各体位が呼吸器系、循環器系、消化器系などにどのような影響を与えるかを総合的に理解しているか、また特定の疾患を持つ患者にとって望ましい体位は何かを問う問題が出題される可能性があります。
関連知識
起立性低血圧のメカニズム、ショック時の体位管理、呼吸困難時の体位(起座呼吸など)、各体位が身体に与える重力の影響。