成人の敗血症について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
敗血症は、感染症に対する生体反応の調節不全により、生命を脅かす臓器障害が引き起こされる状態です。この病態の中核には、細菌感染などによって引き起こされる全身性の炎症反応(Systemic Inflammatory Response Syndrome: SIRS)が認められます。SIRSの診断基準には、発熱または低体温、頻脈、頻呼吸、白血球数の増減などが含まれ、これらは全身性の炎症反応の兆候です。
選択肢ごとの解説
- 1. 敗血症では、全身性の炎症反応により心拍出量が増加し、頻脈となるのが一般的です。正しくは:頻脈となる。選びやすい理由:ショック状態になると循環動態が不安定になるため、徐脈を連想する可能性もゼロではない。混同注意:徐脈と頻脈。
- 2. 敗血症では、血管拡張や血管透過性亢進により有効循環血液量が減少し、血圧は低下して低血圧となるのが典型的です。敗血症性ショックに至ることもあります。正しくは:低血圧となる。選びやすい理由:炎症により体液が過剰になるイメージから、一時的な血圧上昇を想像するかもしれない。混同注意:高血圧と低血圧。
- 3. 敗血症では、サイトカインなどによる炎症反応で血管内皮細胞が傷害され、血管透過性が亢進します。これにより血管内の水分が組織間質へ漏出し、浮腫や有効循環血液量減少を引き起こします。正しくは:血管透過性が亢進する。選びやすい理由:透過性という言葉のイメージから、低下するという誤解が生じる可能性がある。混同注意:血管透過性の亢進と低下。
- 4. 正解。敗血症は、感染症によって引き起こされる生命を脅かす臓器障害であり、その根底には感染に対する宿主の調節不全な全身性の炎症反応(SIRS)が存在します。選びやすい理由:最も基本的な定義であるため、他の選択肢に惑わされなければ正答しやすい。
国試ポイント
敗血症の定義と基本的な病態生理を理解しているか。特に、全身性炎症反応の有無が敗血症を特徴づける重要な要素であることを把握しているかを確認する問題です。他の選択肢は、敗血症で起こる循環動態や血管の変化について、誤った記述を提示しています。
混同注意
感染症と敗血症の区別、SIRSの基準、敗血症性ショックの病態。
次に同じ論点が出たら
今後、敗血症に関する問題が出た場合は、SOFAスコアやクイックSOFA、SIRS基準の内容、具体的な症状、臓器障害の種類、治療の初期対応(初期輸液、抗菌薬)、看護のポイント(バイタルサイン観察、感染源特定とコントロール)について問われる可能性が高いと予測されます。
関連知識
敗血症の診断基準(SOFAスコア、SIRS基準)、敗血症性ショックの定義、エンドトキシンショック、多臓器不全(MODS)への進行、主な合併症(DIC、ARDS、急性腎不全など)。治療としては、抗菌薬投与、輸液、昇圧剤、臓器サポートなど。