医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないことを定めているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
医療法第一条の四第二項には、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手が、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないことが明記されています。これは「インフォームド・コンセントの努力義務」を定めたものであり、医療従事者が患者に対して医療の内容を十分に説明し、同意を得るという医療倫理の重要な原則を法的にも位置づけています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。医療法第一条の四第二項には、「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。」と明記されています。これはインフォームド・コンセントの原則を定めたもので、医療従事者の重要な責務です。
- 2. 健康保険法は、主に医療費の給付や保険制度の運営について定めています。患者への説明義務については直接的な規定はありません。正しくは:健康保険法は、主に被保険者の疾病、負傷、出産、死亡に関する保険給付を定める法律です。インフォームド・コンセントについては規定していません。選びやすい理由:医療と直接関連するため、何らかの義務が規定されていると誤解されやすいかもしれません。混同注意:患者の権利や医療従事者の倫理的義務に関する法律と混同されやすいです。
- 3. 地域保健法は、地域の保健医療に関する施策や保健所の設置・運営について定めていますが、個別の医療行為における説明義務には触れていません。正しくは:地域保健法は、地域の特性に応じた保健サービス(健康増進、疾病予防、環境衛生など)の推進や保健所の役割を定めています。選びやすい理由:「保健」という言葉から、患者への情報提供と関連があるように感じられるかもしれません。混同注意:医療従事者の直接的な診療行為の義務ではなく、公衆衛生や地域全体の健康増進に関する法律と混同されやすいです。
- 4. 個人情報の保護に関する法律は、個人情報の適正な取り扱いについて定めており、医療情報もその対象ですが、医療行為における説明と同意の義務自体を定めるものではありません。正しくは:個人情報の保護に関する法律は、個人の情報を不適切に扱われないように保護するための法律です。インフォームド・コンセントとは異なる目的を持っています。選びやすい理由:医療記録が個人情報であるため、医療機関の義務と関連が深いように思われるかもしれませんが、説明義務とは直接関係ありません。混同注意:医療に関する情報の取り扱いを規定する法律であるため、インフォームド・コンセントと役割を混同しやすいです。個人情報保護は情報公開の制限、インフォームド・コンセントは情報提供の促進という点で異なります。
国試ポイント
医療法におけるインフォームド・コンセントに関する規定の理解が問われています。具体的には、医療従事者の患者に対する説明義務がどの法律で定められているかを知っているかが重要です。他の関連法規(健康保険法、地域保健法、個人情報保護法)との違いを明確に区別できる必要があります。
混同注意
患者の権利や医療者の義務に関する他の法律、例えば医師法や保健師助産師看護師法などと混同されやすいですが、インフォームド・コンセントの努力義務を明文化しているのは医療法です。また、個人情報保護法との混同も起こりやすいですが、個人情報保護法は情報の取り扱いについて、医療法は説明・同意の過程について定めています。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、インフォームド・コンセントの具体的な内容(説明すべき項目、同意の形式など)や、法的根拠としての医療法以外の関連法規(例:患者の権利章典、各職種の倫理綱領)についても問われる可能性があります。
関連知識
インフォームド・コンセントの概念、医療倫理の原則、各医療関連法の目的と内容(医療法、医師法、保健師助産師看護師法、健康保険法、地域保健法、個人情報保護法など)。