Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日で男児を正常分娩した。出生体重3,000 g、身長48.0 cm。出生直後、児に付着していた羊水を拭き取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。その後、温めておいた衣服を着せてコットに寝かせ、コットを空調の風が当たらない場所に配置した。 日齢4。体重2,760 g。児のバイタルサインは正常である。経皮ビリルビン10mg/dL。前日の排尿は1日4回、排便1日1回。母乳のみを哺乳している。1回の授乳に30分以上かかり、授乳後も児は啼泣している。児は音に反応して抱きつくような動きをする。新生児のアセスメントで適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
新生児の母乳授乳では、1回の授乳に30分以上かかり、授乳後も児が泣き止まない場合、母乳摂取量が不足している可能性が高いです。摂取不足は体重減少や高ビリルビン血症の原因にもなり得ます。
選択肢ごとの解説
- 1. モロー反射は正常な原始反射であり、大きな音に反応することは異常ではありません。正しくは:モロー反射は正常な反射であるため、この所見をもって異常な反射があるとは判断しません。選びやすい理由:「反射がある」という表現が、何か異常を示しているように感じられる可能性があるため。混同注意:病的反射や反射の消失、非対称性などの異常。
- 2. 正解。1回の授乳に30分以上かかることと、授乳後も赤ちゃんが泣き止まないことは、母乳が十分に飲めておらず、量が不足している可能性が高いことを示唆します。選びやすい理由:具体的な授乳時の観察所見が、母乳不足の典型的な徴候と一致するため。混同注意:単なる頻回授乳要求や児の吸啜力の問題など。
- 3. 生後4日の新生児で経皮ビリルビン値10mg/dLは、生理的黄疸の範囲内であるか、病的黄疸を直ちに疑う値ではありません。通常、生後3〜5日をピークに約12mg/dL程度までは生理的範囲とされます。正しくは:経皮ビリルビン値10mg/dLは生後4日の新生児としては生理的黄疸の範囲内と判断されます。選びやすい理由:黄疸は新生児期によく見られる問題であり、その数値の評価が難しいと感じるため。混同注意:病的黄疸の基準値や、日齢によるビリルビン値の正常範囲。
- 4. 出生時体重が不明なため、体重減少率を評価できません。しかし、一般的に生理的体重減少は出生時体重の5〜10%程度であり、現在の体重2,760gのみでは超過しているか判断できません。正しくは:出生時体重が不明なため、体重減少率を評価することはできません。選びやすい理由:新生児の体重減少はよく問題となるため、選択肢として目を引きやすい。混同注意:出生時体重からの減少率の計算と、その正常範囲。
国試ポイント
新生児の生理的特徴と異常の鑑別、特に母乳栄養の評価基準を理解する。
混同注意
生理的体重減少と異常な体重減少、生理的黄疸と病的黄疸の鑑別。
次に同じ論点が出たら
新生児の授乳評価では、授乳時間、児の満足度(泣き止むか)、排泄状況、体重変化を総合的に判断する。
関連知識
新生児の生理的体重減少は生後3〜5日で5〜10%が目安。生後2〜3日からは1日あたり20〜30gの体重増加が期待される。また、生後24時間以内の黄疸や経皮ビリルビン値が月齢日齢に対して異常に高い場合は病的黄疸を疑う。