気管切開下で人工呼吸器を装着している利用者に対して、訪問看護事業所が災害に備えて行うことで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
気管切開と人工呼吸器を使用している利用者は、災害時に電源確保や医療機器の持ち出し、適切な避難場所の確保など、個別具体的な支援が不可欠です。そのため、事前に個別の状況に合わせた災害時支援マニュアル(個別支援計画)を作成し、具体的な対応策を明確にしておくことが最も重要かつ適切な準備となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 利用者の医療機器の予備品は、利用者本人または家族が自宅で管理するのが原則です。訪問看護ステーションが個人物品を保管することは、管理責任や物品の紛失、衛生面のリスクを伴います。正しくは:人工呼吸器の予備回路は、利用者自身または家族が自宅で適切に管理するよう指導・支援する。選びやすい理由:災害時に備えて備蓄しておくことは良いことだと感じるため、必要物品を預かることが適切に思える。混同注意:災害備蓄と個人物品の管理責任
- 2. 正解。気管切開と人工呼吸器装着という状況は、災害時に特別な支援が必要となる医療的ケア児・者にあたります。個別支援計画を作成することで、具体的な避難経路、持ち出し物品、連絡先、医療機器の電源確保方法などを事前に明確にし、迅速かつ適切な支援を提供できるように準備することが重要です。選びやすい理由:一般的な災害対策ではなく、個別の状況に対応した計画の重要性。混同注意:一般的な災害対策と個別支援の必要性
- 3. 訪問看護ステーションは医療機器の貸与を行う施設ではありません。また、医療機関も一般的に災害時に備えて個人に機器を貸し出すことはしません。災害用の機器は、利用者自身が準備するか、自治体などの制度を利用するのが一般的です。正しくは:利用者が災害用の医療機器を準備できるよう、情報提供や相談支援を行う。または、自治体や関連機関が実施する災害時支援制度について情報提供する。選びやすい理由:災害時に機器が使えなくなることを心配し、予備を用意することが重要だと感じるため。混同注意:訪問看護ステーションの役割と医療機器の貸与、個人の備え
- 4. 訪問看護ステーションは、利用者を一時的に避難させるための施設ではありません。医療的ケアが必要な利用者の避難場所は、事前に指定された福祉避難所や、自宅での在宅避難が困難な場合に検討されるものです。ステーションが避難所としての機能を持つことは稀です。正しくは:利用者の避難場所については、事前に自治体と連携し、福祉避難所等の情報を利用者に提供したり、在宅避難の可能性も考慮して支援計画に盛り込む。選びやすい理由:災害時に利用者を保護する場所が必要だと感じるため、身近なステーションが避難場所になれば良いと考える。混同注意:訪問看護ステーションの機能と避難所の役割
国試ポイント
医療的ケアが必要な利用者の災害時における訪問看護師の役割と、個別支援の重要性が問われています。一般的な災害対策だけでなく、利用者の具体的な状態に応じたきめ細やかな計画作成の視点が必要です。
混同注意
一般的な災害備蓄や避難場所の確保といった「物」や「場所」に関する対応と、個別のアセスメントに基づいた「計画」の作成のどちらが優先度が高いか、混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
災害時における医療的ケア児・者の支援について問われた場合、常に「個別性」「継続性」「多職種・地域連携」の視点から、最も包括的かつ具体的な支援に繋がる選択肢を選ぶ。
関連知識
医療的ケア児支援法、災害時要配慮者の支援、BCP(事業継続計画)、福祉避難所の役割、地域の災害対策計画との連携