成人の持続点滴静脈内注射の方法で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
持続点滴静脈内注射の刺入部位は、患者さんの安静と活動性を考慮し、関節などの可動部位を避けることが原則です。関節に近い部位に刺入すると、関節を動かすたびに針が血管壁に当たって痛みが生じたり、血管損傷や針の抜去、輸液の漏れなどのリスクが高まります。患者さんの安楽を保ち、点滴が安全かつ円滑に行われるよう、適切な部位を選定する看護師の判断が重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 点滴筒内の薬液量が少なすぎると、輸液バッグが空になった際に空気が入りやすく、空気塞栓のリスクが高まります。また、滴下状況が確認しにくくなる可能性もあります。正しくは:点滴筒には、約半分(1/2から2/3程度)の薬液を満たすように調整する。選びやすい理由:具体的な数値が示されているため、正しい基準値のように感じやすいですが、この数値は適切ではありません。混同注意:他の医療処置における特定の容量規定や、目盛りの見方と混同しやすいです。
- 2. 刺入部を完全に覆い隠すと、腫れ、発赤、疼痛、漏れなどの局所の異常や合併症の早期発見が困難になります。常に視認できる状態に保つことが重要です。正しくは:刺入部は、異常の有無を常に観察できるよう、完全に覆い隠さずに固定する。選びやすい理由:清潔保持や保護の目的で覆うことが良いと誤解しやすいですが、観察が最優先されます。混同注意:刺入部の保護(例:ドレッシング材による被覆)と、観察を妨げないことのバランスが混同されることがあります。
- 3. 正解。関節付近への穿刺は、患者の動きによって針が抜けやすくなったり、曲がったりするリスクが高まります。また、患者の不快感や痛みを増大させ、日常生活動作を制限するため、関節の動きを妨げない部位を選ぶことが基本です。これにより、点滴が安定し、患者の安楽も保たれます。
- 4. 輸液バッグと刺入部の液面差が30cmでは、重力による適切な滴下圧が得られにくく、十分な滴下速度を維持することが困難な場合が多いです。特に患者が体位を変えたり、抵抗があったりすると、流量が著しく低下することがあります。正しくは:輸液バッグは、適切な滴下速度を確保できるよう、液面が刺入部より80cmから100cm程度の高さになるように吊り下げる。選びやすい理由:具体的な数値が提示されているため、正しい基準値のように感じやすいですが、点滴の流量を確保するためにはより高い位置が必要です。混同注意:特定の医療器具や体位に関する他の高さの基準と混同しやすいほか、重力による液体移動の原理が十分に理解されていない場合に選択しがちです。
国試ポイント
成人の持続点滴静脈内注射における基本的な看護技術と安全管理について、特に刺入部位の選択、点滴器具の適切な使用、および観察の重要性が問われています。患者の安楽と合併症予防の視点から正しい知識を応用できるかが評価される問題です。
混同注意
点滴筒の薬液量や輸液バッグの高さに関して、具体的な数値は記憶に残りやすいですが、その数値の持つ意味や適切な範囲を曖昧に覚えていると誤答しやすいです。また、刺入部の保護と観察のバランスも混同しやすい論点です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、基本的な看護技術の「なぜそうするのか」という根拠を理解しているかを確認します。特に、患者の安全と安楽、合併症予防に直結する項目に注目して選択肢を検討することが重要です。
関連知識
静脈注射の目的、種類、適応と禁忌、針の選択、血管の選択(解剖学的知識)、合併症の種類と対応(静脈炎、浸潤、感染など)、滴下速度の計算方法、輸液ポンプの使用方法、点滴ルートの管理、患者への説明と同意。