女性を中心としたケア〈Women centered care〉の概念で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
「女性を中心としたケア」は、女性の多様な経験、価値観、ニーズを尊重し、女性をケアの主体として捉える包括的なアプローチです。身体的な健康問題だけでなく、精神的、社会的、文化的な背景を含めた全人的な視点から女性を理解し、個別化されたケアを提供することを目指します。選択肢3がこの概念の核心を最も適切に表現しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 「女性を中心としたケア」は、単に男性優位の医療体制を否定するだけでなく、女性の多様なニーズや価値観を尊重し、意思決定の主体とする包括的なアプローチです。父権主義の否定はその一側面ではありますが、概念全体を説明するには不十分です。正しくは:女性の自己決定権とエンパワーメントを重視し、医療提供者と女性が対等なパートナーシップを築くことを目指します。選びやすい理由:「女性を中心とした」という言葉から、従来の男性中心的な医療への反発と捉えられがちですが、それは概念の一部であり本質ではありません。混同注意:女性の権利擁護運動と混同されやすいですが、ケアの概念はより広範な意味合いを持ちます。
- 2. 「女性を中心としたケア」は、周産期に限らず、女性のライフサイクル全般(思春期、生殖期、更年期、老年期など)を通して、その時々の健康状態や社会経済的状況に応じたケアを提供する概念です。正しくは:女性の生涯にわたる健康と幸福を支援し、それぞれのライフステージに応じたケアを提供します。選びやすい理由:「Woman-centered care」の文脈で周産期医療が強調されることが多いですが、概念自体は特定の時期に限定されません。混同注意:マタニティケアや助産ケアと混同されやすいですが、それらは女性を中心としたケアの具体的な実践例の一つに過ぎません。
- 3. 正解。「女性を中心としたケア」は、女性を単なる疾患の対象としてではなく、その人自身の全体性、すなわち身体・精神・社会・文化・スピリチュアルな側面を持つ統合された存在として理解し、その視点からケアを提供することを重視します。これはホリスティックケアの考え方とも共通します。選びやすい理由:この選択肢は、女性の全体性を包括的に捉えるという点で、このケア概念の核心を最もよく表しています。混同注意:表面的な健康問題の解決だけでなく、その背景にある個人の価値観や社会状況まで視野に入れます。
- 4. 「女性を中心としたケア」は、女性特有の疾患に限定されるものではなく、女性が経験するあらゆる健康問題や生活課題に対応するものです。例えば、生活習慣病、精神疾患、がんなど、性別を問わず発生する疾患についても、女性の視点や経験を尊重してケアを提供します。正しくは:女性の身体的健康だけでなく、精神的、社会的、経済的な要因が健康に与える影響も考慮し、幅広い健康問題に対応します。選びやすい理由:「女性を中心とした」という言葉から、婦人科疾患や生殖器系の健康が中心だと誤解されやすいです。混同注意:婦人科看護や助産看護と混同されやすいですが、これらの専門分野は女性を中心としたケアを実践する場の一部です。
国試ポイント
看護の国際的な潮流である「女性を中心としたケア」の基本的な理解度を問う問題です。単なる女性の疾患治療に留まらない、より包括的かつ人道的なケアの視点が求められます。
混同注意
女性特有の疾患(婦人科疾患など)に限定されたケアや、男性優位の医療体制への反発運動と混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、この概念が具体的なケア実践の場でどのように応用されるか、あるいは特定のライフステージ(例:更年期、老年期)における女性を中心としたケアの内容が問われる可能性があります。
関連知識
ホリスティックケア、エンパワーメント、自己決定、アドボカシー、ジェンダーに基づく医療。