Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎による中等度の脱水症と診断され入院した。入院時、体温38.2°C、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90 cm、体重12.5 kgであった。 Aちゃんは、個室隔離での入院となり、持続点滴静脈内注射が開始された。排泄が自立していないため普段から紙オムツを使用している。Aちゃんのオムツ交換における注意点について、入院に付き添う母親への看護師の説明で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
感染症の隔離入院患者のオムツ交換後は、排泄物による汚染のリスクが高いため、石けんと流水による丁寧な手洗いは感染予防の最も基本的な対策です。手袋を装着していても、手袋の着脱時や破損によって手が汚染される可能性があり、また目に見えない微生物が付着している可能性を考慮し、必ず手洗いを行うべきです。
選択肢ごとの解説
- 1. 感染予防や処理の容易さから、隔離入院中は通常、使い捨ての紙オムツが推奨されます。布オムツは洗濯や消毒の手間がかかり、感染源となるリスクが高まります。正しくは:使い捨ての紙オムツを継続使用する。選びやすい理由:環境への配慮から布オムツを検討したくなるかもしれないが、感染管理が最優先される。混同注意:布オムツが肌に優しいという利点と、感染管理上の注意点との混同。
- 2. 使い捨て手袋は、感染拡大を防ぐため、患者ごとに、または汚染されるたびに交換するのが原則です。1日1回の交換では、他の場所や人に細菌を広げてしまう可能性があります。正しくは:使い捨て手袋は、オムツ交換ごとに新しいものに交換する。選びやすい理由:手袋の使い回しを避ける意識は良いが、その頻度が不適切である点を見落とす。混同注意:手袋の交換が必要であるという認識と、具体的な交換頻度やタイミングの誤解。
- 3. 正解。オムツ交換後は、目に見えない汚染がある可能性があるため、手袋をしていてもいなくても、石けんと流水による丁寧な手洗いを行うことが、感染予防の基本中の基本であり、最も重要な対策です。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:アルコール消毒だけでは不十分か迷うことがあるかもしれないが、排泄物による汚染が予想される場合は石鹸と流水が必須である。混同注意:アルコール消毒液と石鹸と流水による手洗いの使い分けに関する誤解。排泄物による汚染が予想される場合は石鹸と流水が基本。
- 4. 排泄物が付着した皮膚には、まず汚染を物理的に除去することが重要です。アルコール入りのおしり拭きだけでは排泄物を完全に除去できず、またアルコールが刺激となる可能性もあります。温水で清拭するなど、優しく清潔に保つことが優先されます。正しくは:温水を含ませた柔らかい布などで殿部を優しく清拭し、必要に応じて皮膚保護剤を使用する。選びやすい理由:アルコールによる消毒効果を期待してしまうが、皮膚の清拭においては刺激が問題となる。混同注意:消毒と清拭の目的や方法の混同。皮膚への刺激と消毒効果のバランス。
国試ポイント
感染管理における基本的な手洗いとオムツ交換の注意点、特に排泄物汚染時の対応の知識が問われています。
混同注意
手袋の交換頻度やアルコール消毒、おしり拭きの使用方法に関する知識は、どれも感染管理に関わるため混同しやすいですが、それぞれ具体的な場面での適切な対応を理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
この問題で問われている感染管理の基本を理解した上で、他の感染予防策(例:環境整備、物品の適切な処理)についても説明できるか。
関連知識
標準予防策(スタンダードプリコーション)、接触予防策、手指衛生の5つのタイミング、皮膚のケア