高齢者の健康障害の特徴はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
高齢者の健康障害は、生理機能の低下、多疾患併存、ポリファーマシーなどの影響により、薬の副作用が出現しやすく(選択肢4)。また、原疾患とは直接関連しない、あるいはその症状として現れる「老年症候群」(転倒、せん妄、尿失禁など)が頻繁にみられることが特徴です(選択肢5)。これらは、若年者とは異なる高齢者特有の健康問題であり、診断や治療、看護介入において考慮すべき重要な点です。
選択肢ごとの解説
- 1. 高齢者の健康障害は、複数の要因(多疾患併存、ポリファーマシー、身体機能低下など)が複雑に絡み合っているため、単一の原因を特定することが難しい場合が多いです。正しくは:病気の原因を特定することが困難な場合が多い。選びやすい理由:若年者と同様に、特定の疾患には特定の原因があると考えがちです。混同注意:若年者の急性疾患の場合と混同しやすいです。
- 2. 高齢者の健康障害では、発熱があっても肺炎の典型的な咳や痰がなかったり、心筋梗塞でも胸痛が軽微であったりするなど、非定型的な症状を示すことがよくあります。症状が不明瞭なため発見が遅れることもあります。正しくは:症状が非定型的または不明瞭である場合が多い。選びやすい理由:若年者の疾患では典型的な症状が現れることが多いため、高齢者でも同じように考えるかもしれません。混同注意:若年者の疾患における一般的な症状のパターンと混同しやすいです。
- 3. 高齢者は、加齢による生理的変化、基礎疾患の有無、生活習慣、社会環境などが多様であり、健康状態や疾患の進行度合い、症状の現れ方において個人差が非常に大きいです。正しくは:若年者と比較して個人間の差が大きい。選びやすい理由:加齢に伴い皆同じように機能が低下すると漠然と捉え、個人差がなくなるように感じるかもしれません。混同注意:加齢による普遍的な変化と、個別の多様性を混同しやすいです。
- 4. 正解。高齢者は、肝臓や腎臓の機能低下、体組成の変化(体脂肪率の増加、水分量の減少)、薬物代謝酵素の活性低下などにより、薬物の体内動態が変化しやすく、若年者と比較して薬の副作用(有害事象)が出現しやすいです。また、複数の薬を服用するポリファーマシーもリスクを高めます。
- 5. 正解。高齢者では、特定の疾患がなくても、加齢に伴う生理的機能低下や複数の要因が重なることで、転倒、せん妄、失禁、褥瘡、嚥下障害、低栄養、フレイルなどの「老年症候群」が発生しやすいです。これらは、急性疾患の初期症状として現れることもあり、原疾患の診断を複雑にすることがあります。
国試ポイント
高齢者における健康障害の特異性を理解しているかが問われます。特に、多要因性、症状の非定型性、個人差の大きさ、ポリファーマシーによる有害事象、そして老年症候群の発生という点が重要です。
混同注意
若年者の健康障害の常識や典型的な症状の知識を高齢者にそのまま当てはめてしまい、高齢者特有の非定型的な側面や多要因性を考慮しないと誤答を選びやすくなります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合は、高齢者の健康障害が「多要因性」「非特異的症状」「個人差の拡大」「老年症候群の併発」「薬物有害事象のリスク増加」のいずれに該当するかを確認し、若年者との違いに焦点を当てて判断することが重要です。
関連知識
老年症候群の種類と特徴、ポリファーマシーと薬剤管理、加齢による生理機能の変化(肝腎機能、体組成)、QOLとADLの維持、フレイルとサルコペニア。