肝硬変による肝性脳症で生じるのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
肝性脳症は、肝機能の低下により血液中のアンモニアなどの有害物質が脳に到達し、神経精神症状を引き起こす病態です。その主要な症状には、意識レベルの変化、認知機能障害、人格の変化、そして特徴的な神経学的所見である羽ばたき振戦が含まれます。異常行動は、意識障害や人格変化の一環として現れることがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 浮腫は肝硬変の患者によく見られる症状ですが、これは肝機能低下による低アルブミン血症や門脈圧亢進症が主な原因であり、肝性脳症に直接関連する神経精神症状ではありません。正しくは:浮腫は肝硬変の身体症状ですが、肝性脳症の神経精神症状ではありません。選びやすい理由:肝硬変の代表的な身体所見であるため、つい選んでしまいがちです。混同注意:肝硬変全体の症状と、肝性脳症に特異的な症状を混同しやすいです。
- 2. 正解。肝性脳症では脳機能が障害され、意識レベルの変化や人格変容、認知機能の低下が生じます。これにより、興奮、落ち着きのなさ、奇妙な言動などの異常行動が観察されることがあります。
- 3. くも状血管腫は肝硬変の患者によく見られる皮膚症状であり、肝臓でのエストロゲン不活化能力の低下が原因とされています。これは肝性脳症の症状ではなく、肝硬変による内分泌系の影響です。正しくは:くも状血管腫は肝硬変の身体症状ですが、肝性脳症の神経精神症状ではありません。選びやすい理由:肝硬変の診断に役立つ特徴的な身体所見のため、選びやすいです。混同注意:肝硬変全体の症状と、肝性脳症に特異的な症状を混同しやすいです。
- 4. 正解。羽ばたき振戦(asterixis)は、肝性脳症に非常に特徴的な神経学的所見です。意識障害や姿勢維持能力の低下によって、手首を背屈させた状態で保持しようとすると、手のひらがパタパタと羽ばたくように震える現象が見られます。
- 5. メドゥーサの頭(caput medusae)は、門脈圧亢進症により臍周囲の側副血行路が怒張し、蛇のように見える状態を指します。これも肝硬変の身体所見の一つですが、肝性脳症の直接的な症状ではありません。正しくは:メドゥーサの頭は門脈圧亢進症による身体所見であり、肝性脳症の神経精神症状ではありません。選びやすい理由:肝硬変の病態を示す有名な身体所見なので、関連があると感じて選択してしまう可能性があります。混同注意:肝硬変全体の症状と、肝性脳症に特異的な症状を混同しやすいです。
国試ポイント
肝硬変の合併症の中でも特に肝性脳症に焦点を当て、その特徴的な症状を正確に理解しているかを問う問題です。肝硬変全体の症状と、肝性脳症に特異的な神経精神症状を区別できるかが重要となります。
混同注意
肝硬変の一般的な症状(浮腫、くも状血管腫、メドゥーサの頭など)と、肝性脳症に直接関連する神経精神症状(異常行動、羽ばたき振戦、意識障害、見当識障害など)との混同が起きやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
肝性脳症患者の看護計画を立案する際、異常行動や意識レベルの変化にどのように対応し、安全確保やコミュニケーション方法を調整するか。また、具体的な症状に応じてどのような観察や援助が必要かを判断する際に役立ちます。
関連知識
肝性脳症の病態生理(アンモニア代謝障害、GABA系機能亢進など)、重症度分類(ウェストヘブン分類)、治療法(ラクツロース、抗菌薬など)、食事療法(タンパク質制限)についても理解しておく必要があります。