避難所生活において、身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
生活不活発病(廃用症候群)は、身体活動が減少することで引き起こされる心身機能の低下の総称であり、筋力低下、関節拘縮、骨粗しょう症、循環器機能の低下、精神機能の低下などが含まれます。避難所生活で身体活動が著しく低下する高齢者は、この病態に最も陥りやすいとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 避難所生活では衛生状態の悪化や密集した環境により感染症のリスクは高まりますが、これは「身体活動の低下」に直接的に「最も」関連する病態ではありません。正しくは:感染症のリスクは、密集した環境、不衛生な状態、栄養不良などによる免疫力低下が主な要因であり、身体活動の低下自体が直接的な感染リスクを高めるわけではありません。選びやすい理由:避難所生活全般で問題となるため、選びたくなるかもしれませんが、設問の「身体活動が低下し続けている」という条件に最も直接的に結びつくわけではありません。混同注意:避難所生活における「一般的な健康リスク」と、「身体活動低下に特化したリスク」とを混同しやすいです。
- 2. 高齢者は口渇中枢の機能低下や水分摂取量の減少から脱水になりやすいですが、これも「身体活動の低下」に直接「最も」関連する病態とは言えません。正しくは:身体活動の低下は直接的な脱水の原因ではありません。水分摂取量の不足、発熱、下痢嘔吐などが主な原因です。活動量が少ないと喉の渇きを感じにくい高齢者もいるため、間接的には関連するものの、最も直接的な因果関係ではありません。選びやすい理由:高齢者の健康問題として一般的であり、避難所での環境変化(水分制限、トイレの不便さなど)からも起こりやすいため、選択肢として魅力的です。混同注意:避難所生活における「一般的な高齢者の健康リスク」と、「身体活動低下に最も特化したリスク」を混同しやすいです。
- 3. 環境の変化、睡眠不足、ストレス、脱水、感染症などにより高齢者はせん妄を起こしやすいですが、身体活動の低下が「最も」直接的な原因ではありません。正しくは:せん妄は多様な誘因によって引き起こされる急性脳機能障害です。身体活動の低下そのものよりも、避難所のストレス、環境変化、睡眠障害、既往歴などが主な要因となります。選びやすい理由:高齢者にはよく見られる症状であり、避難所生活のストレスや不慣れな環境が誘発しやすいため、正しいと感じるかもしれませんが、設問の条件と最も直接的に結びつくわけではありません。混同注意:「避難所生活における高齢者の精神的健康問題」と「身体活動低下に起因する身体的健康問題」を混同しやすいです。
- 4. 正解。避難所での身体活動の著しい低下は、筋力低下、関節拘縮、起立性低血圧、認知機能低下、心肺機能の低下など、全身の機能低下を引き起こします。これらは「生活不活発病(廃用症候群)」として総称され、身体活動の低下に「最も」直接的に関連する病態です。高齢者はこれらの影響を受けやすく、急速に進行しやすい特徴があります。
国試ポイント
避難所における高齢者の健康問題、特に身体活動の低下がもたらす影響(生活不活発病・廃用症候群)について理解しているかを問う問題です。多岐にわたる避難所での問題の中から、最も直接的な原因と結果の関連を正確に判断する能力が求められます。
混同注意
避難所生活における高齢者の他のリスク(感染症、脱水、せん妄など)と混同しやすいです。これらはすべて避難所生活で起こりうる問題ですが、「身体活動の低下」という明確な条件に対して「最も」直接的に関連するのは生活不活発病です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、高齢者の活動性低下による具体的な症状(例:筋力低下、関節拘縮、起立性低血圧、褥瘡など)や、その予防的介入策(例:早期からのリハビリテーション、体操、適切な栄養・水分摂取)について問われる可能性があります。
関連知識
廃用症候群(生活不活発病)の症状、予防策(早期離床、リハビリテーション、水分栄養管理)、高齢者の身体機能の特徴、避難所における健康管理の原則、災害看護の基礎知識。