標準的な成長・発達をしている4歳の男児に対して採血を行う。看護師が男児に採血についてのプレパレーションを実施した。その後に伝えることで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
採血のような侵襲的な医療処置を受ける際、特に子どもに対しては事前の説明(プレパレーション)が重要です。プレパレーションの目的は、子どもが処置に対する理解を深め、不安を軽減し、主体的に処置に協力できるようにすることです。プレパレーション後、看護師は子どもが説明をどの程度理解し、どのような疑問や不安を抱いているかを確認する必要があります。質問を促すことで、子どもは自分のペースで疑問を解消する機会を得られ、安心して処置に臨めます。他の選択肢は、不正確な情報提供、子どもの感情の無視、または恐怖心を煽る不適切な表現です。
選択肢ごとの解説
- 1. 採血は針を刺すため、痛みを伴う処置です。痛くないと偽りの説明をすると、子どもの看護師への信頼が損なわれる可能性があります。正しくは:「チクッとするかもしれないけれど、すぐに終わるからね」のように、痛みの可能性を伝えつつ不安を和らげる表現が良いでしょう。選びやすい理由:子どもを安心させたいという気持ちから、つい言いたくなる表現ですが、現実と異なるため不適切です。混同注意:「痛くない」という言葉は、子どもの不安を一時的に軽減するかもしれませんが、信頼関係を損ねるリスクがあります。
- 2. 処置の時間は個々の状況によって異なり、「あっという間」という表現は子どもの主観によっては異なる感覚を与える可能性があります。また、処置の具体的な内容や体感に焦点を当てていないため、不適切です。正しくは:「看護師さんが説明した通り、少しの間だけ頑張ろうね」など、具体的な指示や共感を伝える表現が良いでしょう。選びやすい理由:子どもに処置が短時間で終わることを伝え、不安を軽減しようとする意図は理解できますが、具体的な時間感覚は子どもによって異なるため、不正確な情報となり得ます。混同注意:処置が短いことを強調するのは良いことですが、子どもの感じる時間の長さは大人とは異なるため、「あっという間」という言葉が必ずしも安心につながるとは限りません。
- 3. 正解。プレパレーションの後、子どもが抱いている疑問や不安を看護師が汲み取るために、質問を促すことは非常に重要です。これにより、子どもは自分の気持ちを表現する機会を得られ、さらに安心して処置に臨めます。正しくは:この表現は適切です。選びやすい理由:他の選択肢と比較して、最も子どもの主体性を尊重し、不安の軽減につながる表現です。混同注意:子どもの理解度を確認し、残された疑問を解消する機会を提供することは、プレパレーションの成功に不可欠です。
- 4. 子どもに恐怖や罪悪感を抱かせるような表現は、不適切です。採血の必要性を伝える際も、子どもの発達段階に合わせた言葉で、脅しではなく理解を促すようにすべきです。特に4歳児では、病気が治らないという直接的な脅しは精神的な負担が大きすぎます。正しくは:「この検査をすることで、先生が〇〇ちゃん(くん)の体を元気にする方法を考えることができるよ」のように、前向きな結果につながることを伝える表現が良いでしょう。選びやすい理由:子どもに処置の重要性を理解させたいという意図はありますが、恐怖を煽る方法は適切ではありません。混同注意:治療の必要性を伝えることは重要ですが、脅迫的な言葉は子どもの心理に悪影響を与えます。特に4歳児では、病気が治らないという言葉は強い恐怖心につながります。
国試ポイント
小児に対する医療処置のプレパレーションとコミュニケーションの基本原則を理解しているかどうかが問われています。特に、子どもの発達段階に応じた言葉遣いや、子どもの主体性を尊重する姿勢が重要です。
混同注意
子どもを安心させたいという意図から、「痛くないよ」や「すぐに終わるよ」といった言葉を選びがちですが、これらは正確性や信頼性の観点から適切ではありません。最も重要なのは、子どもの疑問や不安に寄り添う姿勢を示すことです。
次に同じ論点が出たら
もし子どもが質問をしてきた場合、その質問内容に対して正直かつ簡潔に、子どもの理解度に合わせて説明します。質問がない場合でも、「不安なことはない?」などと、再度気持ちを確認することが大切です。
関連知識
小児看護におけるプレパレーションの重要性、発達段階に応じたコミュニケーション技術、子どもの権利擁護(自己決定権の尊重など)。具体的なプレパレーションの方法としては、人形や絵本を用いた説明、遊びを通じた導入などが挙げられます。