食中毒予防の原則である「中心温度75℃以上1分以上の加熱」が有効なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
食中毒予防の原則である『中心温度75℃以上で1分間以上の加熱』は、主に細菌性の食中毒菌を死滅させることを目的としています。サルモネラ属菌は代表的な細菌性食中毒の原因菌であり、この加熱条件で効果的に殺菌できます。一方、フグ毒や毒キノコの毒素は耐熱性であり、加熱では分解されません。黄色ブドウ球菌は菌自体は加熱で死滅しますが、産生するエンテロトキシンは耐熱性であるため、一度産生された毒素による食中毒は加熱では防げません。
選択肢ごとの解説
- 1. フグ毒(テトロドトキシン)は耐熱性のある自然毒であり、通常の加熱調理では分解されません。加熱しても毒性は失われません。正しくは:フグ毒は加熱しても分解されないため、予防にはフグの種類を識別し、有毒部位を除去する適切な処理が必要です。選びやすい理由:食中毒の原因として一般的に知られているため、選択肢として目を引く可能性があります。混同注意:細菌性の食中毒と自然毒による食中毒の違いを混同しやすいです。
- 2. 毒キノコに含まれる毒素の多くは耐熱性であり、加熱調理によって毒性が失われることはほとんどありません。種類によっては加熱で毒性が増すものもあります。正しくは:毒キノコによる食中毒は、食べないことが唯一の予防策です。専門家による識別ができない限り、野生のキノコは摂取すべきではありません。選びやすい理由:キノコも食中毒の原因として一般的であり、加熱調理が基本的な調理法であるため、効果的だと誤解しやすいです。混同注意:細菌性の食中毒と、植物や菌類に含まれる自然毒による食中毒を混同する可能性があります。
- 3. 黄色ブドウ球菌自体は加熱によって死滅しますが、食中毒の原因となるエンテロトキシンという毒素は耐熱性です。一度生成された毒素は、75℃、1分間の加熱では分解されません。正しくは:黄色ブドウ球菌による食中毒の予防には、食品を長時間室温に放置しないこと、調理者の手洗い・衛生管理を徹底し、菌の増殖と毒素の産生を防ぐことが重要です。選びやすい理由:細菌性食中毒の代表例であり、細菌は加熱で死滅するという知識から選びやすいですが、毒素型食中毒である点がポイントです。混同注意:細菌そのものの殺菌と、細菌が産生した毒素の分解を混同しやすいです。
- 4. 正解。サルモネラ属菌は細菌性の食中毒の原因菌であり、一般的な加熱処理(中心温度75℃で1分間以上)により死滅します。これにより、菌による感染型食中毒を効果的に予防できます。正しくは:この選択肢は正しいため、修正の必要はありません。選びやすい理由:他の選択肢が自然毒や毒素型食中毒であり、加熱で効果がある細菌性食中毒の代表例として適切です。混同注意:他の耐熱性毒素や自然毒による食中毒との違いを理解していれば、正答にたどり着きやすいです。
国試ポイント
この問題は、食中毒の種類とそれぞれの予防策、特に『加熱』という一般的な予防策がどのタイプの食中毒に有効であるかという基本的な知識を問うものです。細菌による感染型食中毒と、自然毒や細菌が産生する毒素による食中毒の違いを理解しているかを確認しています。
混同注意
細菌そのものの殺菌と、細菌が産生した耐熱性毒素の分解を混同しやすい。また、自然毒と細菌毒を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、まず『食中毒の原因が細菌か、毒素か、自然毒か』を判別する。次に『加熱がその原因に直接作用するか(菌の殺滅か、毒素の分解か)』を判断する。耐熱性の有無が鍵となる。
関連知識
食中毒の種類(感染型、毒素型、中間型)、主な食中毒菌とその特徴、自然毒の種類と特徴(フグ毒、毒キノコ、ソラニンなど)、各食中毒の予防策(加熱、冷却、清潔、迅速)。特に『3つの原則:つけない、増やさない、やっつける』を関連付けると理解が深まる。