潰瘍性大腸炎の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
潰瘍性大腸炎は、直腸から連続的に炎症が始まることが多く、その慢性炎症は大腸がんの発生リスクを高めます。縦走潰瘍はクローン病の特徴であり、水様性下痢ではなく血性下痢や粘血便が典型的です。遺伝的素因は指摘されますが、単一の遺伝性疾患とは言い切れません。
選択肢ごとの解説
- 1. 潰瘍性大腸炎は遺伝的要因が関与すると考えられていますが、明確な単一遺伝子疾患として遺伝するわけではありません。多因子遺伝の可能性が指摘されていますが、「遺伝性である」と断定するほどではありません。正しくは:遺伝的素因が関与すると考えられている。選びやすい理由:家族歴がある患者もいるため、遺伝が関係していると誤解しやすい。混同注意:遺伝病と遺伝的素因が混同しやすい。遺伝病は特定の遺伝子異常で発症するが、遺伝的素因は複数の遺伝子や環境要因が複雑に絡み合って発症するリスクが高まることを指す。
- 2. 正解。潰瘍性大腸炎の炎症は、通常、直腸から始まり、連続性を持って口側(上行性)に広がる特徴があります。
- 3. 縦走潰瘍はクローン病の代表的な特徴であり、潰瘍性大腸炎では通常みられません。潰瘍性大腸炎ではびまん性の粘膜炎症や表在性の潰瘍が特徴です。正しくは:びまん性の粘膜炎症が特徴である。選びやすい理由:炎症性腸疾患の両方で潰瘍ができるため、どちらの特徴か混同しやすい。混同注意:潰瘍性大腸炎とクローン病の病変形態(縦走潰瘍 vs. びまん性・表在性潰瘍)が混同しやすい。
- 4. 正解。潰瘍性大腸炎は慢性的な炎症が続くため、罹病期間が長くなるほど大腸がん(特に炎症関連癌)の発症リスクが増加することが知られています。そのため、定期的な内視鏡検査によるサーベイランスが推奨されます。
- 5. 潰瘍性大腸炎では、血性下痢や粘血便が特徴的で、少量の排便が頻回に起こることが多いです。大量の水様性下痢は他の消化器疾患(例:感染性腸炎、過敏性腸症候群の一部)でよく見られます。正しくは:血性下痢や粘血便が主な症状である。選びやすい理由:下痢は炎症性腸疾患でよく見られる症状であるため、種類を誤解しやすい。混同注意:クローン病の小腸病変や、他の下痢症(感染性腸炎など)との症状の違いが混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、潰瘍性大腸炎の基本的な病態生理と臨床的特徴(好発部位、病変の広がり方、合併症、症状)に関する知識を問うものです。クローン病との鑑別点も含まれています。
混同注意
潰瘍性大腸炎とクローン病の病変形態(縦走潰瘍 vs. びまん性粘膜炎症)、症状(血性下痢 vs. 腹痛、体重減少)、合併症(大腸がん vs. 狭窄、瘻孔)が混同しやすいです。また、遺伝的素因と遺伝性疾患の違いもポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の論点が出題された場合、潰瘍性大腸炎の病理組織学的特徴(炎症の深さ、陰窩膿瘍)、内視鏡所見(仮性ポリープ、血管透見像の消失)、そして重症度分類と治療の選択肢(5-ASA製剤、ステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤)を問う可能性があります。
関連知識
炎症性腸疾患(IBD)の分類、診断基準、治療(薬物療法、外科的療法)、日常生活指導。クローン病の疫学、症状、病理。