精神科病院の閉鎖病棟に入院中の患者宛てに厚みのある封筒が届いた。差出人は記載されていなかった。当日の看護師の対応で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
精神科病院に入院中の患者の通信の秘密は、憲法で保障された基本的な人権です。しかし、医療安全の確保や患者の治療上の必要性から、一定の制限が設けられることがあります。差出人不明の厚手の封筒は、危険物の混入や患者の精神状態に悪影響を及ぼす可能性も考慮されるため、患者の権利を尊重しつつ安全を確保するためには、看護師が開封に立ち会うことが最も適切な対応です。これは、患者のプライバシーを最大限尊重しつつ、医療者としての管理責任を果たすためのバランスの取れた行動と言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者の通信の秘密は憲法で保障されており、理由なく破棄することは人権侵害にあたります。精神科病院に入院している患者であっても、この権利は尊重されるべきです。正しくは:患者の権利を尊重し、適切な手続きを経て対応を検討する。選びやすい理由:危険物の可能性を危惧する。混同注意:患者の安全確保とプライバシー保護のバランス。
- 2. 正解。精神科病院における通信の制限は、患者の心身の状況や治療上の必要性に応じて行われますが、原則として患者の通信の秘密は保障されています。しかし、差出人不明の厚手の封筒は、内容によっては患者の治療に悪影響を与えたり、危険物である可能性も否定できないため、安全管理の観点から看護師が開封に立ち会うことが適切です。これは患者の権利を最大限尊重しつつ、安全を確保するための行動です。選びやすい理由:患者のプライバシー保護と安全管理のバランスが取れているため。混同注意:患者の権利の制限と保護の線引き。
- 3. 患者宛ての郵便物を本人の同意なく家族に転送することは、通信の秘密を侵害する行為であり、適切ではありません。患者本人にまず状況を説明し、対応を協議するのが基本です。正しくは:患者本人に状況を説明し、対応を検討する。選びやすい理由:家族の方が適切に判断してくれるだろうという思い込み。混同注意:患者のプライバシー保護と、家族の介入の範囲。
- 4. 患者の通信の秘密は憲法で保障されており、看護師が患者に無断で郵便物を開封することは、よほどの緊急性が認められない限り、人権侵害にあたります。開封する場合は、患者の同意を得るか、立ち会いのもとで行うのが原則です。正しくは:患者の立ち会いや同意のもとで開封を検討する。選びやすい理由:患者の安全確保を優先しようとする。混同注意:患者の安全確保と、無断でのプライバシー侵害。
- 5. 患者宛ての郵便物を長期間にわたり保管し、患者の手に渡さないことは、通信の秘密を不当に制限する行為であり、適切ではありません。患者の権利を尊重し、速やかに適切な対応を取る必要があります。正しくは:患者の権利を尊重し、速やかに適切な対応を取る。選びやすい理由:問題が起こらないように一時的に保留したい。混同注意:安易な保留と、適切な対応の遅延。
国試ポイント
精神科看護における患者の権利擁護と医療安全管理のバランス。特に、通信の秘密の原則と、例外的な状況における適切な対応について問われる。
混同注意
患者のプライバシー保護と、看護師による安全管理の境界線。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、患者の権利(特に通信の秘密や面会の自由)が原則として保障されていることを前提に、ただし医療上の必要性や安全確保の観点から制限が許容される場合があり、その際の適切な手続きや最小限の制限に留める配慮がなされているかを判断基準とする。
関連知識
精神保健福祉法における患者の権利、憲法で保障される通信の秘密、精神科病院入院中の患者の権利制限に関するガイドライン。