細胞内に受容体があるホルモンはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
テストステロンはステロイドホルモンの一種であり、脂溶性であるため細胞膜を容易に通過し、細胞質内や核内に存在する受容体と結合して作用を発揮します。他の選択肢のホルモン(インスリン、アドレナリン、オキシトシン、プロラクチン)は水溶性のペプチドホルモンまたはカテコールアミンであり、細胞膜を通過できないため、細胞膜表面に存在する受容体に結合します。
選択肢ごとの解説
- 1. インスリンの受容体は細胞膜表面に存在します。インスリンはペプチドホルモンであり、細胞膜を通過できないため、膜表面の受容体に結合して細胞内シグナルを伝達します。正しくは:インスリン受容体は細胞膜上にあります。選びやすい理由:多くの重要なホルモンであるため、知識が曖昧だと選択しやすいかもしれません。混同注意:細胞内受容体を持つステロイドホルモンや甲状腺ホルモンと混同しやすいです。
- 2. アドレナリン(エピネフリン)はカテコールアミンであり、細胞膜に存在するGタンパク質共役型受容体(アドレナリン受容体)に結合します。細胞内には受容体がありません。正しくは:アドレナリン受容体は細胞膜上にあります。選びやすい理由:神経伝達物質としての側面もあり、生理作用が幅広いことから、どこに受容体があるか曖昧になりがちです。混同注意:甲状腺ホルモンやステロイドホルモンといった、脂溶性で細胞内受容体を持つホルモンと間違えやすいです。
- 3. オキシトシンは視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるペプチドホルモンです。その受容体は子宮や乳腺などの細胞膜表面に存在します。正しくは:オキシトシン受容体は細胞膜上にあります。選びやすい理由:女性ホルモンと関連があるため、ステロイドホルモンと混同し、細胞内受容体があると思い込みやすい可能性があります。混同注意:エストロゲンやプロゲステロンなどのステロイドホルモンと混同しやすいです。
- 4. プロラクチンは脳下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンであり、乳腺などの標的細胞の細胞膜上に受容体(プロラクチン受容体)を持ちます。これはサイトカイン受容体スーパーファミリーに属します。正しくは:プロラクチン受容体は細胞膜上にあります。選びやすい理由:乳汁分泌に関わる重要なホルモンであるため、知識の曖昧さから選択してしまうかもしれません。混同注意:他のペプチドホルモンと同様に細胞膜受容体を持つことを理解できていないと、細胞内受容体と誤解することがあります。
- 5. 正解。テストステロンは脂溶性のステロイドホルモンであり、細胞膜を自由に通過することができます。そのため、標的細胞の細胞質または核内に存在するアンドロゲン受容体に結合し、遺伝子転写を直接調節することで作用を発揮します。
国試ポイント
ホルモンの種類(ペプチド、アミン、ステロイドなど)と、それに伴う受容体の局在(細胞膜表面、細胞内)に関する基本的な知識が問われています。特に、脂溶性ホルモンが細胞内受容体を持つという原則を理解しているかが重要です。
混同注意
水溶性ホルモン(ペプチドホルモン、カテコールアミン)の細胞膜受容体と、脂溶性ホルモン(ステロイドホルモン、甲状腺ホルモン)の細胞内受容体の違い。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た場合は、各ホルモンの化学的構造(ペプチド、ステロイド、アミンなど)をまず確認し、それに基づいて脂溶性か水溶性かを判断し、受容体の局在を推測できるかを確認します。
関連知識
ホルモン受容体の種類と作用機序(Gタンパク質共役型受容体、酵素共役型受容体、イオンチャネル型受容体、細胞内受容体)。ステロイドホルモンや甲状腺ホルモンの共通の特徴(脂溶性、細胞内受容体、遺伝子発現調節)。