血液のpH調節に関わっているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
血液のpHは、体内の酸と塩基のバランスによって厳密に維持されています。主な調整メカニズムは、二酸化炭素の排出を介した呼吸器系(肺)と、水素イオンや重炭酸イオンの排泄・再吸収を介した腎臓によるものです。肺は短時間で迅速な調整を行い、腎臓はより長期的かつ強力な調整を担います。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃は消化液である胃酸を分泌しますが、全身の血液pH調整には直接関与しません。胃酸は消化管内のpHを低く保つ働きがあります。正しくは:胃は消化における酸分泌器官であり、血液のpH調節には直接関与しない。選びやすい理由:「酸」という言葉から胃酸を連想しやすいが、胃酸は消化管内であり、血液のpH調節とは異なる。混同注意:消化管内のpH調整と血液のpH調整。
- 2. 正解。肺は二酸化炭素の排出量を調節することで、血液中の炭酸濃度ひいてはpHを迅速に変化させることができます。呼吸数や深さを変えることで、酸性またはアルカリ性に傾いた血液を中和する方向に働きます。選びやすい理由:呼吸によってガス交換が行われることは広く知られているため、イメージしやすい。混同注意:呼吸器系疾患によるpH異常との関連。
- 3. 心臓は血液を全身に循環させるポンプとしての役割を担いますが、血液のpHを直接調整する機能はありません。pH調整に関わる物質を運搬する役割はありますが、調整そのものは行いません。正しくは:心臓は血液循環を担うが、pH調整機能は持たない。選びやすい理由:血液に関連する重要な臓器であるため、何か関係があるのではないかと推測しやすい。混同注意:血液循環機能と血液成分の調節機能。
- 4. 正解。腎臓は体内の酸や塩基を排泄・再吸収することで、長期的に血液のpHを調整します。特に、水素イオンの排泄や重炭酸イオンの再吸収・産生を通じて、酸塩基平衡の維持に不可欠な役割を果たします。選びやすい理由:排泄器官であるため、体内のバランス調整に関わることが連想しやすい。混同注意:水電解質バランスの調整とpH調整。
- 5. 膵臓は消化酵素やインスリンなどのホルモンを分泌しますが、全身の血液pH調整には直接関与しません。膵液には重炭酸イオンが豊富に含まれ、十二指腸内の酸を中和する働きがありますが、これは消化管内の局所的な作用です。正しくは:膵臓は消化酵素やホルモン分泌を担い、消化管内のpH調整には関わるが、血液のpH調節には直接関与しない。選びやすい理由:重炭酸イオンの分泌に関わるため、pH調整に関係すると誤解しやすい。しかし、それは消化管内の話である。混同注意:消化管内のpH調整と血液のpH調整。
国試ポイント
この問題は、血液の酸塩基平衡とその調節に関わる主要な臓器について、基本的な生理機能を理解しているかを問うものです。特に、呼吸器系と腎臓がこの調節に果たす役割の重要性を把握しているかがポイントとなります。
混同注意
消化管内のpH調整(例:胃酸、膵液)と、全身の血液pH調整。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各臓器が具体的にどのようなメカニズムでpH調整に関わっているか、あるいは関わっていないかを詳細に問う問題や、特定の疾患時のpH変動とそれに対する臓器の反応を問う問題が考えられます。
関連知識
バッファーシステム(緩衝系)、呼吸性アシドーシス・アルカローシス、代謝性アシドーシス・アルカローシス、重炭酸イオン。