配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)は、身体的な暴力だけでなく、精神的な暴力もその対象としています。精神的暴力には、人格を否定するような暴言や行動、行動の自由を奪う行為などが含まれ、これらは被害者の心身に深刻な影響を及ぼすため、法律によって保護されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 誤り。DV防止法は、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者(内縁関係)からの暴力も対象としており、共同生活を営んでいない元配偶者からの暴力も含まれます。正しくは:婚姻届を提出していない事実婚状態のパートナーからの暴力や、離婚後も元配偶者から受ける暴力もこの法律の保護対象です。選びやすい理由:「配偶者」という言葉から、法的な婚姻関係にある者のみが対象だと誤解しやすいです。混同注意:民法上の「配偶者」の定義と、DV防止法における「配偶者」の定義を混同しやすいです。
- 2. 誤り。配偶者からの暴力に苦しむ人を見つけた場合、通報が義務付けられているのは、主に児童虐待の発見時(児童虐待防止法)です。DV防止法においては、通報義務は明記されておらず、配偶者暴力相談支援センターなどへの情報提供や助言が推奨されますが、強制ではありません。正しくは:配偶者からの暴力に苦しむ人を見つけた場合、配偶者暴力相談支援センターや警察などの適切な機関に情報提供や相談を促すことが望ましいですが、保健所への通報が義務付けられているわけではありません。選びやすい理由:社会的な問題であるため、通報義務があると考えてしまいやすいです。また、児童虐待防止法との混同も考えられます。混同注意:児童虐待防止法における通告義務とDV防止法における対応を混同しやすいです。
- 3. 正解。正しい。DV防止法第1条及び第1条の2において、この法律における「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力のみならず、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(精神的暴力)も含まれると明確に規定されています。選びやすい理由:特になし。法律の定義を正確に理解していれば正答できます。混同注意:刑法上の暴行罪や傷害罪が身体的な苦痛のみを対象とすることと混同する可能性があります。
- 4. 誤り。DV被害者の保護活動を行うのは、配偶者暴力相談支援センターや婦人相談所、警察、一時保護施設などです。母子健康センターは、主に妊産婦や乳幼児の健康診査や保健指導、育児相談などを行う機関であり、DV被害者の直接的な保護活動は担当していません。正しくは:配偶者暴力相談支援センターや婦人相談所、警察などがDV被害者の保護活動を行います。選びやすい理由:「母子」という言葉から、女性や子どもの保護に関係する機関だと連想しやすいため、DV被害者保護にも関連があるように思えるかもしれません。混同注意:母子健康センターの機能と、配偶者暴力相談支援センターや婦人相談所の機能を混同しやすいです。
国試ポイント
DV防止法の対象となる暴力の範囲(身体的暴力だけでなく精神的暴力も含むこと)と、被害者保護の基本原則を理解しておくことが重要です。
混同注意
DV防止法における「暴力」の定義が、刑法上の暴行罪や傷害罪と混同されがちですが、DV防止法はより広範な概念を包含しています。特に精神的暴力は身体的損傷を伴わないため、その対象範囲を正確に理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の法律問題が出題された場合は、法律の正式名称だけでなく、その法律がどのような対象を、どのような目的で、どのような手段を用いて保護・支援するのかという根幹部分に着目して判断します。
関連知識
DV防止法における保護命令の種類(接近禁止命令、退去命令など)、配偶者暴力相談支援センターの役割、児童虐待防止法との関連性などについても併せて学習することが推奨されます。