Aさん(16歳、女子)。身長160 cm、体重40 kg。1年で体重が12 kg減少した。Aさんは6か月前から月経がみられないため婦人科クリニックを受診し、体重減少性無月経と診断された。今後、Aさんの無月経が長期間続いた場合、増加することが予想されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
16歳の女性Aさんは体重が12kg減少し、体重減少性無月経と診断されています。このような著しい低栄養状態とそれに伴うエストロゲン低下は、骨代謝に悪影響を及ぼし、骨形成の抑制と骨吸収の亢進を引き起こすため、骨吸収が増加する可能性が高いです。特に若年での無月経は骨密度低下のリスクを高めます。
選択肢ごとの解説
- 1. 体重減少性無月経の患者は、低栄養状態であり、血糖値が上昇する可能性は低いと考えられます。むしろ、インスリン感受性の低下や糖新生の異常により、低血糖を呈することもあります。正しくは:低血糖値選びやすい理由:生活習慣病と関連付けて、漠然と血糖値の上昇をイメージしてしまう可能性がある。混同注意:糖尿病やメタボリックシンドロームによる高血糖。
- 2. 正解。Aさんのように体重が大幅に減少し、無月経である場合、エストロゲンレベルが低下します。エストロゲンには骨吸収を抑制する作用があるため、その分泌が低下すると骨吸収が亢進し、骨密度が低下しやすくなります。若年でのこの状態は将来的な骨粗鬆症のリスクを高めます。選びやすい理由:骨代謝のメカニズムを理解していれば正しい選択肢を選べる。混同注意:骨形成の促進と骨吸収の抑制のどちらがエストロゲンの主な作用か。
- 3. Aさんは1年間で体重が12kgも減少しており、体重が40kgと著しい低体重(BMI 15.6)です。このような状態では、体脂肪率も通常低下しており、増加する可能性は極めて低いです。正しくは:体脂肪率の低下選びやすい理由:体重減少と体脂肪率の低下が直結しないと考えるかもしれない。または、一度痩せるとリバウンドしやすいというイメージ。混同注意:体脂肪率の増減と体重の増減が常に比例しないケース(例:筋肉量が増えても体重が増えるなど)。
- 4. 体重減少性無月経では、視床下部-下垂体-卵巣系の機能低下により、卵巣からのエストロゲン分泌が抑制されます。したがって、エストロゲンは増加するのではなく、低下します。正しくは:エストロゲンの低下選びやすい理由:ホルモンバランスの乱れ全般と捉えて、ホルモンの増加をイメージしてしまう可能性がある。混同注意:多嚢胞性卵巣症候群など、他の無月経の原因疾患におけるホルモン動態。
国試ポイント
体重減少性無月経における低栄養とホルモンバランスの異常が、骨代謝に及ぼす影響を理解する。
混同注意
骨形成と骨吸収のバランス、エストロゲンと骨密度の関係性を混同しないこと。エストロゲン低下は骨形成促進ではなく、骨吸収抑制作用が減弱することによる骨吸収亢進を招く。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出た場合、体重減少や摂食障害の有無、月経不順や無月経の期間、そして骨密度低下のリスク因子(低エストロゲン状態)の有無を確認して判断する。
関連知識
体重減少性無月経では、視床下部-下垂体-卵巣系の機能低下によりエストロゲン分泌が低下し、骨粗鬆症のリスクが高まります。また、成長期の栄養不良は最終身長にも影響を及ぼす可能性があります。