Aさんは、2か月間のリハビリテーションの結果、健側をつかってベッド上で端坐位ができるようになり、補装具をつければ軽介助で歩行できる状態まで回復した。退院後はベッド柵をつけた介護用ベッドを設置し、自宅で生活をする予定である。Aさんが自宅で使用する介護用ベッドの柵の配置を図に示す。ベッド柵の配置で適切なのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
患者Aさんは健側を使ってベッド上で端坐位ができる状態であり、安全に離床動作を行うためには、健側を支点としてベッド柵を配置し、身体を安定させる必要があります。図1の配置であれば、健側で身体を支え、ベッドから起き上がったり、座位を安定させたりする際に利用できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Aさんは健側を使って端坐位ができるため、健側の手でベッド柵を把持することで、安定した離床動作をサポートできます。この配置は健側での支持を可能にし、ベッド上での体位変換や起き上がりを安全に行う上で適切です。選びやすい理由:健側の利用は、患者の自立支援と安全確保の両面で重要であるため、迷わず選べる。混同注意:一般的な転落防止目的のベッド柵配置。離床支援の目的と区別して考える必要がある。
- 2. この配置では、ベッドの頭側にベッド柵があり、離床動作の支援としては不適切です。Aさんは健側を使って端坐位ができるため、横方向への起き上がりを考慮した配置が必要です。また、足元側に柵がないため、ベッドからの転落リスクも考慮する必要があります。正しくは:健側を下にして横向きになった際に、健側の手で把持できる位置(ベッドの中央から足元寄り)に柵を配置する。選びやすい理由:ベッドの頭側に柵があることで、なんとなく安全性が高まるように見えるかもしれない。しかし、離床動作には適さない。混同注意:ベッドの頭側に全体を覆うようにベッド柵を設置することによる一般的な転落防止策。
- 3. この配置はベッド全体に柵がありますが、健側を活用して安全に離床できるような配置ではありません。特に、片側にしか健側がない患者の場合、健側で身体を支えながらベッドから降りるための適切な支えがありません。正しくは:ベッド全体を覆うのではなく、患者の離床動作に必要な部分に限定して健側で把持できる柵を配置する。選びやすい理由:ベッド全体を柵で囲むことで、転落防止という観点では安心感があるように見える。混同注意:全身の転落防止を目的としたベッド柵の配置。部分的な離床支援とは目的が異なる。
- 4. この配置はベッドの足元側に柵があり、離床動作の支援としては不適切です。ベッドからの起き上がりや端坐位の安定には、身体の中央から上半身を支える位置に柵が必要です。足元側の柵は、起き上がりの際に利用しにくいだけでなく、転倒のリスクを高める可能性もあります。正しくは:健側を下にして横向きになった際に、健側の手で把持できる位置(ベッドの中央から足元寄り)に柵を配置する。選びやすい理由:足元側も安全に感じるかもしれないが、離床動作の支援にはならない。混同注意:漠然とした転落防止策の一部。
国試ポイント
片麻痺患者の離床介助におけるベッド柵の適切な配置と、健側を活用した安全な動作支援の原則。
混同注意
健側と患側を混同し、患側に柵を配置してしまうこと。また、転落防止と離床支援の目的を混同すること。
次に同じ論点が出たら
患者の麻痺の程度、健側の機能、ベッド上での動作能力、および離床時にどちら側に降りるかを確認し、健側を有効活用できるベッド柵の配置を選択する。
関連知識
ベッドからの起き上がり動作は、健側を下にして横向きになり、健側の肘と手で身体を支えながら、足をベッドから下ろす動作が基本。この際、健側の体幹や上肢を効果的に使うために、適切な高さと位置にベッド柵があると安全かつ効率的です。