典型的なうつ病の症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
うつ病の診断基準において、「抑うつ気分」と並んで「興味と喜びの喪失」(アヘドニア)は、中核的な主要症状として位置づけられています。これら2つの症状のうち、少なくとも一方が2週間以上持続することが診断の必須条件とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 幻聴は統合失調症や重度の精神病性うつ病で出現することがありますが、典型的なうつ病の主要症状ではありません。正しくは:統合失調症の代表的な症状の一つである。選びやすい理由:精神疾患の一症状であるため、混同しやすい。混同注意:幻覚や妄想は精神病性障害の主要症状であり、典型的なうつ病では稀です。
- 2. 感情失禁は、脳血管障害などによる器質性脳疾患でみられることが多く、感情を適切に制御できない状態を指します。うつ病の主要症状ではありません。正しくは:脳血管障害などで見られる。選びやすい理由:感情の不安定さという点で関連があるように見えるが、病態は異なる。混同注意:感情失禁は感情のコントロールができない状態であり、うつ病でみられる気分の落ち込みや意欲低下とは異なります。
- 3. 理由のない爽快感や高揚感は、うつ病とは対照的な双極性障害(躁うつ病)の躁状態の主要症状です。正しくは:双極性障害の躁状態の主要症状である。選びやすい理由:気分変動の一種として誤解されやすい。混同注意:うつ病は気分の落ち込みが特徴であり、爽快感は真逆の症状です。
- 4. 正解。興味と喜びの喪失(アヘドニア)は、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第10版(ICD-10)や米国精神医学会(APA)の精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)において、うつ病の中核的な主要症状の一つとして挙げられています。正しくは:うつ病の中心的症状である。選びやすい理由:他の精神症状と比べて、具体的なイメージがつきにくい場合がある。混同注意:単なる気分の落ち込みと混同されがちですが、これまで楽しめていたことへの関心が完全に失われる状態を指します。
国試ポイント
うつ病の主要症状と、他の精神疾患(統合失調症、双極性障害など)や器質性脳疾患の症状との鑑別が問われる。精神疾患の診断基準における中核症状を理解しておくことが重要である。
混同注意
単なる気分の落ち込みと「興味と喜びの喪失」を混同しやすい。後者は、これまで楽しめていた活動(趣味、人との交流など)に対する関心が完全に失われ、喜びを感じられなくなる状態を指す。
次に同じ論点が出たら
患者の訴えから主要症状を正確に聞き取り、診断基準に照らし合わせてアセスメントできるか。また、自殺リスクの有無など緊急性の高い情報を判断できるか。
関連知識
うつ病の診断基準(ICD-10またはDSM-5)、うつ病の他の主要症状(食欲不振・体重減少、睡眠障害、精神運動性の焦燥または制止、疲労感・気力減退、無価値感・罪悪感、集中力低下・決断困難、死への反復思考・自殺念慮)、双極性障害の躁状態の症状、統合失調症の陽性症状と陰性症状。