潰瘍性大腸炎によって生じるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
潰瘍性大腸炎では、大腸粘膜の広範囲に炎症と潰瘍が形成され、その炎症部位から組織液、血液、粘液などの滲出物が腸管内に漏出し、下痢として排出されます。この病態から生じる下痢は「滲出性下痢」と分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症や潰瘍が生じる疾患であり、炎症部位から血液や粘液などの滲出液が腸管内に漏れ出すことで、滲出性下痢を引き起こします。炎症による粘膜の損傷が主な原因です。選びやすい理由:他の下痢の種類と混同しやすいが、潰瘍性大腸炎の病態生理を理解していれば区別できる。混同注意:分泌性下痢や浸透圧性下痢と誤解されることがあるが、病態が異なる。
- 2. 分泌性下痢は、腸管からの水・電解質の分泌が過剰になったり、吸収が障害されたりすることで生じます。主に細菌毒素(コレラなど)や特定の薬剤、内分泌腫瘍などが原因であり、潰瘍性大腸炎の病態とは異なります。正しくは:分泌性下痢の原因として、細菌毒素や特定の薬剤、内分泌腫瘍などが挙げられる。選びやすい理由:下痢という共通症状があるため、混同しやすいが、原因となる病態生理が異なる。
- 3. 脂肪性下痢は、脂肪の消化・吸収障害によって、便中に多量の脂肪が排出される状態を指します。膵機能不全や胆汁酸の欠乏、小腸の吸収障害などが主な原因であり、潰瘍性大腸炎の直接的な症状ではありません。正しくは:脂肪性下痢の原因として、膵機能不全、胆汁酸欠乏、小腸の吸収障害などが挙げられる。混同注意:下痢の症状は共通だが、便の性状や原因となる病態が異なるため注意が必要。
- 4. 浸透圧性下痢は、腸管内に難吸収性の物質(例: 乳糖不耐症での乳糖、人工甘味料、下剤など)が存在することで、腸管内の浸透圧が上昇し、水分が腸管内に引き込まれて生じます。潰瘍性大腸炎の主要な下痢の機序ではありません。正しくは:浸透圧性下痢の原因として、乳糖不耐症や特定の薬剤(マグネシウム製剤など)が挙げられる。選びやすい理由:下痢という共通症状があるため、混同しやすいが、原因となる病態生理が異なる。
国試ポイント
潰瘍性大腸炎の病態生理と、それによって引き起こされる下痢のタイプ(滲出性下痢)を正確に理解しているかが問われる問題です。各下痢の種類の原因とメカニズムを把握することが重要です。
混同注意
各下痢のタイプ(滲出性、分泌性、脂肪性、浸透圧性)は、それぞれ異なる病態生理に基づいています。症状だけにとらわれず、その根本的な原因を区別できるよう学習する必要があります。
次に同じ論点が出たら
患者の下痢の性状(血液・粘液の有無など)や随伴症状(発熱、腹痛など)から、下痢のタイプを推定し、適切なアセスメントや看護介入に繋げる能力が求められます。
関連知識
クローン病でも炎症性下痢が見られますが、小腸・大腸の全層性炎症という点で潰瘍性大腸炎とは異なります。また、各種下痢に対する治療法も原因によって異なるため、鑑別は非常に重要です。