点滴静脈内注射中の刺入部位の腫脹を確認したときに、最初に実施するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
点滴静脈内注射中に刺入部位の腫脹が確認された場合、これは薬剤が血管外に漏出している(血管外漏出)可能性が非常に高い状況です。薬剤の漏出が続くと、組織損傷や壊死などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、直ちに注入を中止し、さらなる漏出を防ぐことが最優先の対応となります。その後、漏出薬剤の種類や量に応じて適切な処置(冷罨法、温罨法、拮抗薬の注入など)を行います。
選択肢ごとの解説
- 1. 体位の変更は、点滴漏れによる腫脹の直接的な解決策にはなりません。体位変更が必要な場合もありますが、腫脹が確認された際の最優先対応ではありません。正しくは:注入を中止し、刺入部の状態を評価する。選びやすい理由:血管の圧迫やねじれが原因で流れが悪くなっていると誤解し、体位を変えれば改善すると考えてしまう。混同注意:点滴の滴下不良の原因として体位の影響を考える場合と混同しやすいが、腫脹は漏出を示唆する緊急性の高い兆候である。
- 2. 正解。刺入部の腫脹は、点滴薬剤が血管外に漏出している(静脈炎や血管外漏出)可能性が高い兆候です。薬剤の漏出が続くことで組織損傷が悪化するため、直ちに注入を中止することが最優先の対応となります。
- 3. 挙上は浮腫の軽減に役立つことがありますが、点滴漏れによる腫脹の根本原因への対処ではなく、薬剤がさらに漏出するのを止める効果はありません。注入中止後の処置として検討されることはあります。正しくは:注入を中止し、刺入部の状態を評価する。選びやすい理由:浮腫や腫脹に対する一般的な対処法として知られているため、漏出による腫脹にも有効だと考えてしまう。混同注意:炎症や浮腫に対する一般的な看護介入と、点滴漏れ時の緊急対応を混同しやすい。
- 4. マッサージは漏出した薬剤をさらに広げてしまったり、組織への刺激を増悪させたりする可能性があり、推奨されません。特に薬剤によっては刺激性が高いため、絶対に行ってはいけません。正しくは:注入を中止し、必要であれば冷罨法や温罨法、拮抗薬の注入などの適切な処置を検討する。選びやすい理由:血行促進や局所の排液を促す目的で、腫れや硬結に対してマッサージを考えることがあるため。混同注意:一般的な筋肉痛や血腫に対するマッサージと、点滴漏出による組織浸潤時の対応を混同しやすい。特に薬剤によってはマッサージが禁忌となる。
国試ポイント
点滴静脈内注射中の合併症発生時の緊急対応について問われています。特に血管外漏出の兆候と、それに対する最優先の看護介入を理解しているかが評価されます。異常の早期発見と迅速な対応の重要性がポイントです。
混同注意
点滴の滴下不良(ルートの閉塞、屈曲、体位による圧迫など)と、血管外漏出(腫脹、疼痛、冷感など)の鑑別。滴下不良であればルートの確認や体位変更が先行することもありますが、腫脹がある場合は漏出の可能性が高い。
次に同じ論点が出たら
刺入部の腫脹以外に、どのような兆候があれば血管外漏出を疑うか(疼痛、発赤、冷感、皮膚の緊張、しびれなど)。漏出した薬剤の種類によってその後の対応がどう異なるか(刺激性、壊死性、非刺激性)。
関連知識
静脈内注射の合併症(静脈炎、血管外漏出、感染、アレルギー反応、空気塞栓など)、それぞれの兆候と対応。特に刺激性の高い薬剤(例:カリウム製剤、抗がん剤など)が漏出した場合の緊急プロトコル。漏出レベルに応じた分類と処置。