男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
男性の尿道はS字状に湾曲しており、特に恥骨結合部で下方へカーブしています。カテーテルを円滑かつ安全に挿入するためには、まず陰茎を軽く牽引して尿道を直線化させます。この状態でカテーテルを尿道口に挿入し始める際は、腹壁に対して80〜90度、つまりほぼ垂直に近い角度でカテーテルを進めるのが最も適切です。これにより、尿道の損傷を防ぎ、カテーテルがスムーズに膀胱へ到達しやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 男性の尿道は恥骨結合部で下方に湾曲しているため、この角度では尿道が損傷するリスクがある。初期挿入時は陰茎を軽く持ち上げ、尿道を直線化させるが、角度自体はより垂直に近い。正しくは:男性尿道カテーテル挿入時の腹壁に対する適切な角度は、この範囲よりも大きい。選びやすい理由:一般的な注射針の角度などに似ており、無意識に選んでしまう可能性がある。混同注意:尿道カテーテル挿入は、単純な直線挿入ではないため、角度の知識が必要となる。
- 2. 正解。男性の尿道はS字状に湾曲しており、特に恥骨結合部で下方に曲がっている。カテーテルをスムーズに挿入するには、まず陰茎を軽く持ち上げて尿道を直線化させ、初期挿入時は腹壁に対しほぼ垂直(80〜90度)に近い角度で進めることで、尿道の損傷を防ぎ、膀胱へ到達させやすくなる。
- 3. 腹壁に対して120〜130度という角度は、鈍角となりカテーテルが下方に向くことを意味する。これは尿道の湾曲に逆らう形となり、尿道損傷のリスクを著しく高めるため不適切である。正しくは:男性尿道カテーテル挿入時の腹壁に対する適切な角度は、この範囲よりも小さい。選びやすい理由:「大きく曲げる」というイメージから、誤って選択する可能性がある。混同注意:カテーテル挿入時の具体的な体位や操作手順を混同している可能性がある。
- 4. 腹壁に対して160〜170度という角度は、ほぼ水平に近い状態でカテーテルを下方に向けることになる。これは尿道のS字湾曲に全く合致せず、尿道を損傷する危険性が非常に高いため不適切である。正しくは:男性尿道カテーテル挿入時の腹壁に対する適切な角度は、この範囲よりもはるかに小さい。選びやすい理由:何らかの理由で「寝かせる」イメージを持ってしまうと、誤って選択する可能性がある。混同注意:尿道解剖の理解が不十分な場合、正しい角度を判断できない。
国試ポイント
男性への導尿におけるカテーテル挿入時の適切な角度と、その根拠となる男性尿道の解剖学的特徴(S字状湾曲)の理解が問われています。実技手技における基本知識であり、患者の安全確保に直結する重要なポイントです。
混同注意
女性の導尿と比較して、男性の尿道は長くS字状に湾曲しているため、挿入角度や手技が異なります。女性では尿道が短く直線的なため、腹壁に対する角度は男性ほど厳密ではありません。
次に同じ論点が出たら
この初期角度で挿入した後、抵抗を感じたら無理に進めず、陰茎の牽引方向やカテーテルの角度を微調整して、カテーテルをさらに深く挿入する。尿が排出されたら、さらに2〜3cm挿入し、風船を膨らませて固定する(留置カテーテルの場合)。
関連知識
導尿手技の目的(尿閉の解除、尿量測定、検体採取など)、カテーテルの種類と選択(ネラトンカテーテル、フォーリーカテーテルなど)、合併症(尿路感染症、尿道損傷、疼痛など)とその予防策、清潔操作の重要性。